減反の現地確認の日。
市役所から来た役人とJA職員と
うちの集落の農家組合長である僕の3人で
うちの集落の減反が、計画通り行われているかの
現地確認。

水稲共済の申請書という形で、あらかじめ減反の計画を出しており
それに沿って市役所が作ってきた台帳を元に
田んぼの一筆一筆を確認して歩くのが現地確認の作業。

うちの集落は約90町歩(90ha)の水田があり
しかも減反は、各家がそれぞれの耕作田んぼで減反をする
いわゆる「バラテン」と呼ばれる減反をする集落。
それぞれがそれぞれの田んぼで
バラバラに転作をするので、そう呼ばれている。
バラテンの場合、確認の田んぼの筆数も増え、
また虫食いのように転作田が点在するので、
いちいち確認するにも時間がかかる。
これに対して、ブロックローテーションと言われるように
集落の減反面積を一括して、その集落の一か所に集めて
効率よく減反をしようという地域もある。
集落営農でやっているところや
農家組合でやっているところや、
それは様々。

うちの集落が面倒な点は、まだある。
それは転作が、麦だけでなく、野菜なども盛んに作っており
秋・冬作として野菜を予定している場合、
ぱっと見てもそれが自己保全なのか
野菜なのかが解らないということである。
それも農家組合長が説明しないといけない。

うちの集落は、昔はブロックローテーションで
転作を行っていたとか。
農家組合で減反面積を預かり、
集落の東手の田んぼを6か所に分けて
ブロックを組み、
毎年その6か所で場所を移動しながら
ローテーションで、一括して転作をしていた。
20年くらい前の話。

その頃は、そのブロックの田んぼを持っている地権者に
田んぼを作らなかった分として、各戸から補償金を集めて
払ったとのことだが、
その金額が大きく、一軒で10数万円にもなったのだとか。
それでもその分、減反しなくて米を作れたり
減反分で割り当てられたローテーションの田んぼで
野菜などを作れたので、それぞれの家には
それなりに増産分の収益があったはずなのだが、
一旦口座に入ってしまったお金は、すべて自分のものに見えるようで
後から来る、この補償金の金額に難色を示す人も多かったようである。
そして、その補償金の大きさでもめて
ブロックローテーションは立ち消えになったとか。

ブロックローテーションでやる利点は多い。
まず減反面積が明確で、個人に任せた場合よりも
確実に減反が達成できる。
つぎに、一か所もしくは数か所のある程度の面積で転作をするので
共同作業や機械の共有化などで生産効率を上げることが出来る。
共同出荷などにも結び付き、市場での優位性も確保できる。
だが、これを準備する側は大変だ。
補償金の計算などで矢面に立たされるし
一括した転作田でも、誰がどの場所を転作するかでもめたり。

うちの村では、補償金の金額でもめて
それが決定的な要因だったのだが
もう1つには、その村の気質もあるだろう。
共同作業や共同販売の小さな組織が出ては来るが
フリーライダーの問題や、抜け駆けする者がいて
長続きしなかったり、うまくいかなかったり。
僕の所感だが、共同で何かをやるという行為が
あまりうまく機能しない、
良く言えば、それぞれが独立心を強く持っていて
それぞれにやっていく方がうまくいく集落のようにも見える。
うちのむらの歴史的経緯も見ると
そんな感じがする。

だから、うちでは転作は「バラテン」。
確認に時間はかかるし
なかには、農家組合から支持した転作面積を守らない家もある。
集落トータルでは転作面積は守れているので
現地確認時に、問題はないのだが、
こういうフリーライダーが多いのも
ブロックローテーションがうまくいかなかったことの
要因の一つのようにも見える。

ただ現地確認が面倒というだけで
まぁ、個人的にはバラテンで転作する方が良いのだけどね。
そう考えてしまう僕も
やはりこの村の気質を受け継いでいるんだろう。
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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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