露地の圃場や施設内で作業中に
カブラハバチの成虫を多数観察する。
昨日までは、まったく気がつかなかったのだが
今日になって大量発生。
昨年と時期もほぼ同じ。
カブラハバチの写真はこちら

カブラハバチは膜翅目の昆虫で
この幼虫が、アブラナ科の植物を食害する。
自然界でも、食欲旺盛なこの虫は、イヌガラシなどの
いわゆる雑草も徹底的に食害する。
栽培種の中では、うちのラインナップからいえば
水菜が好みらしく、他のアブラナ科に比べて
比較的害を受けやすい。
防除としては、この虫の成虫を防虫ネットなどを利用して
圃場に入らないようにするのも一つの手なのだが、
露地ではそれは難しい。

カブラハバチは、
いわゆる「あおむし」の仲間である鱗翅目に効果がある
微生物農薬BT剤は効果がない。
収穫前日まで使用でき、かつ、特定の害虫だけを防除してくれる
BT剤は環境にも人体にも負荷が少ないので
うちの農園ではよく使うのだが、
この農薬では防除できない。

この虫が目的で散布するわけではないのだが、
ネオニコチノイド系の農薬やアファーム乳剤でも
副次的に効果はあるが、それは至極一時的で
次から次へと産卵された害虫ステージに悩まされることになる。

天敵としてこのカブラハバチだけにターゲットに置いた昆虫(スペシャリスト)は
今のところ、僕の勉強不足かもしれないが、確認できない。
ジェネラリストとしてはクモ類などの肉食系の昆虫・鳥類などが考えられるが
発生スピードを考えると、初期にはそれらのジェネラリストでは
効果があっても、徐々に食べられるスピードよりも
発生するスピードの方が上回ってしまう。
この虫は、触れれば死んだふりをしたように丸くなって落下するのが
特徴で、鳥などの天敵から身を守るためだとも言われている。

カブラハバチの大量発生と言う、この狂ってしまった均衡を
戻す方法として、現在は、
天敵(ジェネラリスト)やただの虫に害がすくない薬剤を選択して
散布するしか、いまのところ、解らないのが正直なところだ。

ただ、アファームやモスピランといった
登録が拡大し続け、どんな作物にも汎用性の高い農薬が
登場してきている現在、
その慢性毒性であるADI値(毎日摂取しても大丈夫な値)が
一つの野菜では大丈夫でも、登録が多い分、いろんな作物にかかっていることを
考えれば、1日の摂取量が加算的になり、
結果としてその数値を超えてしまうのではないか
という心配もある。
(ただADI値は、本来大丈夫とされる数値に100倍を掛けているので、その心配はほとんどない、という専門家もいる)
たとえIPMの中で実践的に使われている農薬でも
その使用に対して過信は出来ない。

カブラハバチの耕種的防除、生態的防除、物理的防除も
よくよく考えなければ、
生産現場という上流では、農薬の基準を満たしていても
食する側がいる下流では、その基準が加算的になり、
結果として基準値を超えることも考えられる(複合汚染とはまた別の考え)。

とにもかくにも
今日、
カブラハバチの大量発生を観察。
今年もこいつとの戦いが始まったというわけだ。
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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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