インドネシアの研修生H君の卒業研究が動き出した。
課題は、「有機肥料の有効性」というもの。
実証実験として、圃場でオクラを栽培して
肥料の有効性を農家の視点で見ていくのだが、
同時に、文献も精査する。

文献と言ってもあんまり難しい日本語は読めないし
英語は出来ないし、
インドネシア語の書籍は少ないので、
日本語の農業雑誌を読んで、情報を集めることを主体としている。
1~2週間で1記事を読み
それをゼミでプレゼンしてもらっている。

今回、H君が選んだ記事は「現代農業」という雑誌の記事で
2010年1月号に書かれていた土着こうじ菌を用いての
有機肥料の作り方だった。
この雑誌の良いところは、使われている資材が
すぐ傍にあることが多く、誰でもすぐに
実践できそうなことばかりを取り上げていることであろう。
H君が選んだ記事も、そんな感じの記事で、
米ぬか、もみ殻を用いて
土着こうじ菌も竹やぶから探し培養するという方法で
ほとんどタダ同然の資材を利用しての有機肥料作りだった。
H君曰く
インドネシアでも、どの資材も比較的簡単に手に入り
作り方が簡単なのでやってみたい、とのこと。
さっそく彼の卒業研究でも
その肥料を作成して使用してみることにした。

さて、それとは別に
以前のゼミで議論になった生ごみを簡単に堆肥にする装置が
届いたので、それをさっそく使用することに。
有機肥料をインドネシアの社会的文脈で考えると
どうしても受け入れられない場面も多い。
その多くが社会的な偏見だったりもするのだが
有機肥料の資源となる「生ごみ」が、
放置されたり、回収したとしてもプラスティックごみと
混ざり合って捨てられるため、資源として利用することが難しい。
以前、Hくんに読んでもらったインドネシア語の生ごみを堆肥にする文献では
一度ゴミ全体を網の付いた装置にかけて
分別を徹底しないといけない、と記されていた。
簡単に有機物を手に入れることが、有機肥料の利用を促進するのだが
現状としては、至極難しい。
家畜の糞尿だけで有機肥料を作成しても良いのだが
価格的にも社会的にも考えれば、生ごみを有機肥料化できれば
一石二鳥なのである。
そして、それは同時に、ごみの分別に対する意識が高まることで
有機農業に対する意識も高まると考えている。
ごみを処分するものとして捉えるのではなく、
かけがえのない資源として捉える視点が
新しい持続的な農の形を生みだすのだ。
では、そのためには何が必要か。
それは家庭内で簡単に生ごみを処理できる器具が
その推進に一役買ってくれるのではないか、と
ゼミの議論の中で出てきたのである。
そこで、少々値が張ったのだが、
手回しハンドル式の家庭内生ごみ処理機を購入した。
それの性能を知ることと、
そこから生み出されたものが肥料としてどれだけ有効かを知るために。
そしてこれが肝心なのだが、
よく似たものをインドネシアで模倣できないかと考えて。
(容器や発酵資材がインドネシアで比較的手に入りやすいもので、かつクオリティが高い肥料が出来るかどうかが鍵)

こうした機器を各家庭に普及させることが
ごみに対する意識を高め
それが有機農産物に対する意識を高めることに
つながれば、と考えている。
(主は有機農産物の販売だが、機器の販売も当然ビジネスの対象)。
さっそく、研修生の炊事場で出るごみを入れて実験を開始した。
はたして、どういう結果になるのか、楽しみである。
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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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