新たに1名のインドネシア研修生が来る。
名前は、タン君とでもしておこうか。
研修生は、毎年一人ずつ受け入れて、3人体制で考えていたので
これで揃ったわけだ。
新しく来た子は、2008年に来たH君の同級生。

インドネシア・スメダン県にある西ジャワ州でNo1の農業高校である
タンジュンサリ農業高校との提携で
卒業生を対象に行っているこの農業研修。
なので、同級生が来ることもある。
高校時代はH君とは同じクラスで、とても仲が良かったという。
イル君もよく知っているようで、
二人とも嬉しそうにしていた。

さて、タン君。
これから研修に入るわけだが、
彼の住んでいる地域や社会のポテンシャルを知っておく必要があるので
僕の大学院時代の親友A女史(大学講師)に
農村調査を行ってもらっていた。
報告書は、いつものことなのだが、70ページもある分厚いものを
送って来たので、辞書を片手に読む。

これまでの二人(H君・イル君)に比べて
タン君は裕福な家に生まれたといえよう。
いや、その表現はいささか誤解があるか。
正確に書けば、あまり裕福ではなかったのだが、
両親の頑張りで、いまはずいぶんと余裕のある暮らしをしている中で
タン君は育った、というのが妥当か。
基本的な社会的インフラも整った地域で、
その点も他の二人と大きく異なる。
A女史からも
「これまでの二人と大きく違って、彼は大きな農業ビジネスも起こせるポテンシャルを持っている」
とメールで伝えられた。
市場が近く、そこへのアクセス(交通手段)も容易で、
さらに父親が農業をしながらも、
村内で農産物集荷の仕事や養殖、果樹園なども手掛け
資金的にも独立している。
もっともランディング可能な青年というわけだ。

H君は、インフラの不備で市場へのアクセスがやや困難で
イル君は、資本家の大規模お茶農園と
数人の資金貸付商人が村を牛耳っているため
生産構造に自由度が低い。
この二人に比べたら、タン君は恵まれている、というわけだ。

僕はA女史に農村調査を依頼するときにはいつも宿題をだしている。
それは、
君の目で見て、その地域の発展のカギは何か?
というもの。
A女史は、今回の報告書で、いくつか挙げてくれたのだが
僕の目にとまった言葉は
「ただ適作というわけではなく、広い意味で文化を作り上げてきた代々受け継いできた地元の農業の形を大切にすること」
だった。

A女史が送ってきてくれた詳細な報告書を元に
その文化を作り上げている農の形と地域発展をこれから彼らと共に
ここで考えていこうと思う。
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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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