3月になった。
3月と言えば、年度末。
といっても、お役所ではないので、それで忙しくなるわけでもない。
ただ春めいてきたので、3月という数字に関係なく
農園は忙しくなってきている。

ただ、例外がある。
インドネシア農業研修の事業。
2008年に来たH君が、4月から最終年の3年目に突入する。
いままで通り、実習と座学を繰り返すだけでもいいのだが、
それではいまいち面白くない。
そこで、3年目は個人課題を決めてもらい、研究と文献精査をして
論文とまではいかないだろうが、簡単な書き物を残してもらおうと思っている。
とはいっても、一応、学部生の卒論レベルを目指して指導するつもり。
そんな余裕が僕にあるのかどうかは、僕もよくわからない。

1月から断続的に個人課題の相談を受けていたのだが、
ようやく1本目のプロポーザルを書いてきた。
彼が選んだのは、有機質肥料の利用実験、だった。
ここに来てから、彼は、
自国インドネシアだと、農民から「ミトス」(神話)としか非難されない
有機質肥料の実際の効果を嫌というほど目にしてきた。
そこで、新しく販売にもつながると考えている作物「オクラ」を対象に
有機質肥料の効果をはかることを個人課題として提出してきた。
ちなみにインドネシアでは、オクラは一部の地域では
ずいぶん昔から親しまれてきた野菜だが、ジャワではまだまだマイナーな作物で
やり方次第では、まだまだ売れるとH君は睨んでいるようである。

余談だが、僕が知っているインドネシアの協力隊隊員で
比較的栽培が楽であるオクラを普及させようという隊員は何人もいたが
誰一人として普及に成功はしていない。

実験自体は、それほど難しくない。
対象区を設けて、施肥に差をつけて、生育の変化を見ればいい。
それに使用する有機肥料の一つは、H君自らが作成する予定である。
さらに、文献精査も行い、
日本での有機肥料に関する記事や
インドネシアの有機肥料の論文等を読んで、
最終的には、普及を踏まえての社会的要因等も考察してもらいたい、と思っている。

課題を自ら決めるプロセスは、
とても面白い。
彼のやる気が前面に感じられ、この事業を
一文にもならない、この事業を
やっていて良かったと感じる。
と、同時に、僕の奥のどこかに沈殿してしまった探究心も
再び頭をもたげてくるのを感じる。
こういう相互作用は、実に心地がいいものである。
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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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