FC2ブログ
今年最後の講義。
インドネシア研修生の座学の話。

最近書いていなかったが、資金的要因の後
政治・政策的要因を2回にわたって考察し
そして今回最後の世界的要因(グローバルな要因)についての授業。
実は、このあたりになってくると、
僕の苦手分野で、政治や世界経済なんて言われても
ほとんどわからないのだが、
それでも、この要因に大きく自分たちの農業が左右されるのは事実で、
これまで勉強し、そして体験してきたことを
少しでも伝えようと、今日の講義となった。

さて、
こういうことを議論しようとすると、まず避けて通れないのが
グローバリゼーション。
その言葉だけでも、考えるだけで頭が痛くなる。
僕の理解の範疇で言えば、
グローバリゼーションというと
世界経済や各国の文化の単一化・平準化などと言われ
最もわかりやすく、また最も攻撃されやすい対象が
マクドナルドと近年ではスターバックスじゃないかと思う。
マクドナルドとスターバックスが
彼ら研修生の農業がどうつながっているかを考えるわけではなく、
グローバルな影響というものをイメージしてもらうために
マクドナルドを題材に少し議論してみた。

アメリカナイズされていく文化の代表として
良くこのマクドナルドが取り上げられる。
はたして、マクドナルドは文化の平準化のプロセスなのだろうか。
H君もイル君もインドネシアでも、日本でもマクドナルドを食べたことがある
と話してくれた。
なので、さっそく、何を食べたか聞いてみた。

両者とも
「日本ではエビのハンバーガー、インドネシアではフライドチキンとご飯 」
と言う答え。
ははは、すでに答えが出ているじゃないか。

僕の記憶違いでなければ、エビのハンバーガーはインドネシアのマクドナルドにはない。
日本のオリジナルメニューだろうと思う。
そして、インドネシアのマクドナルドでは(僕が良く通っていたボゴール店では)、
最も売れるメニューが、フライドチキンとご飯のセット。
ハンバーガーを売らずに、ご飯とチキンを売るマクドナルドが面白くて
その光景を見たさに、良く通っていたのを思い出す。
二人とも、マクドナルドはハンバーガーの店、だと良く分かっているが
注文するとなると、
「パンではなくご飯」
なのだそうだ。

インドネシアでは、有名な地元資本のフライドチキン屋さんがあり
それ以外にも、
ケンタッキーフライドチキン(KFC)
カリフォルニアフライドチキン(CFC:これはKFCのパクリか?)
などのファーストフード店も多く、
一般の家庭でもフライドチキンは良く食べられている。
そんな文化に合わせてなのか、
インドネシアのマクドナルドでは
フライドチキンとご飯を提供しているようだ。
そしてそれが人気のメニューだったりもする。

そして、日本でのエビバーガー。
日本人とエビじゃないが、これもなんだか
インドネシアのケースと同じような匂いがする。

つまり、マクドナルドをグローバリゼーションと呼ぶならば
それはアメリカナイズされて、みんなアメリカのメニューの
ハンバーガーをほおばっていなければならない。
だが、現実には、ローカル化されていくプロセスに
その価値の変容が生まれ
それぞれの国で、それぞれのハンバーガー、
もしくは全く別のメニューを生み出している。
ちなみに、90年代前半、タイでは豚肉のハンバーガーがサムライバーガーとして
売られていたのを僕は記憶している。
牛100%という売りすら、この場合、捨ててしまっていた。
それが、僕はこの世界で起こっているグローバリゼーションの一端だと
理解している。

では、こういうことがどう彼らの農業に影響してくるのか。
少し話は変わるのだが、事例として
僕が99年に行った「アカワケギ栽培普及事業」を例に出して
今年も説明した(詳しくはリンク先で)。

この講義で言いたかったことは、
要は、圧倒的な力として存在しているグローバルな要因に
常に巻き込まれていくわけではあるが、その中で必ずしもその基準は
平準化・単一化されていくわけではなく、
つねに変容のプロセスにあるということ。
アカワケギは、市場開放の生贄となったが
実は、その経験が、次年度の多種多様な野菜の栽培と直売活動に
つながっており、断片的には語れない農業のカタチが
そこにはある。
と、僕は勝手に思っている。

僕ら農民は、目の前の事象を分析するだけで終わるわけじゃない。
僕ら農民は、その次を紡いでいく、その次を創出していく、その次を生み出していく、
存在なのだ。
グローバルな要因であろうが、
そこから受ける影響を、ローカルに翻訳し
それに巻かれながらも、それを根っこで変えてしまえる力が
僕らにはあると信じている。
一方的に搾取されるような関係に見えても
それをどう捉えなおすかによって、
見えてくる光があるように。

こうして農業の構造の授業は終わった。
今年の座学はこれでおしまい。

関連記事
Comment
Trackback













管理者にだけ表示を許可する

Comment form

田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

俳句もしております。「雪解」「街」「いつき組」に所属しております。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
taya.tアットマークnifty.com
です。
(アットマークを@に置き換えて送信ください)

プロフィール
05 ≪│2020/06│≫ 07
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -
カレンダー(月別)
カテゴリ
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

メールフォーム

Page Top

Powered by FC2 Blog | | Template Design by スタンダード・デザインラボ