インドネシアの研修生H君が、
日本語検定試験3級を受けに、金沢へ行った。
帰るまでに2級くらいは取らないとだめだよ、
と常々研修生には発破を掛けていた。
だから、試験に対しては随分と積極的に取り組んでいる様子だった。

さて、H君は試験に行くのだが、
もう1人のイル君とセネガルのI君は、どこ吹く風で、
我関せずの体。
これじゃいかんということで、残った二人は、
僕が作成した日本語検定試験4級相当の試験を受けることに。
ちなみに、I君は研修生ではなくスタッフなので
この僕が作る試験が、そのまま昇給試験となっている。

4級といってもなかなか難しい。
助詞の使い方や形容詞・動詞の変換など、なかなかの難問揃い。
そんな中で、I君は予想通り、まったく問題が解けなかった。
1年3カ月も日本にいて、週に2回も日本語学習を受けているにもかかわらずだ。
出された問題を問題として理解していない様子もあり
ペーパーでの検定では、彼の理解力は測れないのかもしれない、とも思った。
彼は、小学校を終えておらず、
問題の持つストラクチャー自体を
僕らのように学校教育を受けてきた人間とは、
同じような認識をしていないのではないのだろうか、とも思えた。

その一方、イル君。
4月に来て、まだ1年経たないし、I君より言葉は話せない感じだったのだが
彼は6割以上の正解率だった。
習っていない漢字も多くあったにも関わらず、
優秀な成績だった。

もちろんイル君の頑張りもあっただろうが、
イル君とI君とを比べてみると
イル君は、問題の意味を即座に理解して書きこんでいたのに対して
I君は、しばらく問題用紙を眺めるだけで、何を書きこんでいいのかを
理解できない様子だった。
試験に慣れているかどうかの差なのかもしれない、とも思う一方、
ペーパーの試験で日本語が上手かどうかは解らないものだとも思った。
なぜなら、間違いなくI君の方が、僕らが仕事で共有する事柄に対して
僕らが使う日本語で共有できているのだから。
言葉がその意味を伴わず、それ自体単独に存在はしていないし
たとえそうであったとしても、それを自在に使えることに何の意味もない。
意志や意味の伝達としての言葉が上手かどうか
それを測れればいいのだが、僕にはどうすればいいのか
今はまだ分からない。

ただ一つ言えること。
こうやって試験をすると、
試験問題を作成したり、それを添削したり、
または間違った箇所を、この後時間を設けて解説する予定でいるのだが
とにかく、僕の手間と時間がずいぶんとかかるということだけは解った。
最近、こういう忙しさばかりが増えたような気がする。
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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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