07 28
2006

先日から、某国際協力機構と我が県の協力隊を育てる会とで、アジア、アフリカ、南米から日本に学びに来ている留学生を対象に研修を行っている。今日で3日目。

育てる会の事務局長さんから、3日目の近郊農業視察はたやくんにすべてまかせる、とありがたいお言葉をいただいていたのだ。が、どこでどう間違えたのか、たやくんはたやくんでも僕の親父がしゃしゃり出てきてしまって、僕はどちらかというとオブザーバー的位置付けに。そして今日がその3日目。一応、講師役として留学生の一行についてまわった。父の決めたコースを回るために。

コース内容は、先日も日記に書いた直売所を皮切りに、卸売市場、中卸の配送センターをまわり、お昼は地元野菜をふんだんに使うフレンチレストランで昼食、その後JAの集荷所を見て、うちの農園の立ち並ぶハウスを見学、というものだった。

たぶん、それはそれで僕の住んでいるまちの近郊農業なのだろう。巨大な冷蔵庫に、巨大なカントリーエレベーター、そしてベルトコンベアで流れ作業をしている配送センター。直売所もバーコード管理。うちのハウス群も留学生には圧巻だったようだった。日本の農業の近代化の栄華を、これでもか!と見せ付けた内容。そして、その場その場での説明も同様。幾らの資金と幾らの補助金と、そして幾らの売り上げと。そんな説明ばかり。留学生の皆様は、まんまと近代化の栄華に圧倒されていました。

しかしそれは果たして、それで良かったのだろうか。

建物が農業をするわけではない。ハコモノは、どこまでいってもただのハコモノ。だのに、ハコモノがあれば、農業の栄華が極められるような説明は、果たしてそれでよかったのだろうか。

留学生と日本人。その関係は、発展途上国の人と先進国の人、という構造に置き換えられて、その見学は行われていた。ははは、何をもって発展とするか、誰にも自覚がないままに。

それは、この地域を説明するのに解りやすいことかもしれない。そして近郊農業として説明しやすいことかもしれない。でも、本当はもっと違うこともだいじなのに。

流通システムや生産を支える技術を学ぶことは、ある意味有意義なんだろう。しかし、その中で汗かきべそかき働いている僕や親父や近所のパートのおばちゃんやJA職員やシェフや商人やセリ人の想いや考えや関係性や繋がりは、まったくといっていいほど、伝わらない見学だった。思っているほど無味乾燥なものでもなく、もっともっとしっとりとした人間味あふれるものが、それらを支えているにも関わらず。

それが伝えられなかった。残念でならない。
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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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