研修生には母国語であるインドネシア語で
毎月、研修で学んだことなどをレポートにまとめて提出してもらっている。
月に1~2回は、座学でそのレポートを元に話し合うようにしている。
昨日はその日。

レポートには、その月に学んだことや
疑問点、要望などを書いてもらうと同時に
研修後の夢も毎月書いてもらっている。

目標を持って、それに向かって邁進するという
効率性とそこに潜むある種の近代性を
無批判なわけではないのだが、
実際の現場での問題として、
研修の短い3年間を、それぞれがある程度イメージを持って取り組んでもらいたい
と思って、毎月、これを書いてもらっている。

毎月同じような夢を書いてきていたのだが、
今回は、H君とイル君の夢は随分と様変わりしていた。

まずはH君。
これまでは簡単に、
「研修後は大学に進み、もっと勉強したい」
「ここで学んだ技術や農法を活かす農業をしたい」
と書いていた。
だが今回は、前に書いたエントリーにもあったように
「近くの市場に売り場を確保し、生産販売グループを作り、自分たちで有機的農業を中心に栽培していきたい」
に変わっていた。

イル君も同様で、
まずは土地探しから始めたいとのこと。
彼は兄弟も多く、またその兄弟もほとんどが農業をしており
さらにジャワの相続の慣習として
“兄弟全員に均等に分ける”というのがあり、
父の遺産としての農地がほとんど期待できないのである。
H君は幼い弟が1人なので、あまりその問題はないと言っていたが
イル君は4人兄弟の2番目。
ただでさえ少ない父の農地なのに、その1/4しかまわってこないのでは
農業では食べていけなくなる、とのこと。
彼の土地探しは、まずは市場だとか。
自らが関わることのできる市場に近い場所で土地を探すのだとか。
イル君はこれまで、どちらかと言えば栽培技術に関心が高かったのだが、
先月に行った授業の効果なのか
栽培から考えるのではなく、
販売から、市場から考えるようになったのは、
大きな一歩だと思う。

両者にとって、たとえその夢が絵に描いた餅であっても
その餅を描き続ける意味は、僕にはあるように思う。
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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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メールは
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