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通訳二日目。
インドネシアから来たご一行様は、大きく二つに分けられる。
1つは、例年通りの短期留学生とその引率の先生。
福井農林高校(福農)とタンジュンサリ農業高校(タ農)の友好提携により
毎年、この時期にやってくる。
そして、もう1つが、視察団。
インドネシア農水省の農業教育センター長を団長とした
インドネシア各島の農業高校の校長や農業大学の学長が5名ほど
福農とタ農の友好提携事業および
そこから派生した僕の農園で行っている農業研修事業の視察に来たというわけだ。
この視察団としては、
なんとか他の農業高校や農業大学でも
日本の高校などと友好関係を結んで、なんとか派遣事業を行いたい様子だった。

さて二日目。
福農で歓迎式典があった。
郷土芸能として、太鼓部の演奏があり
昨年の全国大会で最優秀賞をとるほどの実力を
皆で堪能した。
短期留学で来たタ農の学生2名も、さっそく
「太鼓部で太鼓をしてみたい」
と無邪気に話していた。

歓迎式典の後、ご一行様は二つに分かれて行動してもらうことに。
視察団には学校見学をしてもらい、
タ農の引率の先生と留学生は、福農側と会議になった。
議題は、12月の福農からの訪問団について、である。
何度か日記でも書いたが、この12月に福農からタ農へ訪問する予定になっている。
ただ今年の校長は、いつものようなまどろっこしい歓迎式典や
近くの観光地巡りは飽き飽きだと言っており
せっかく行くのだから、生徒が何か活動して学べることはないか
と以前から相談を受けていた。
そこで、思いついたのがタ農と福農の学生の混合グループを作り、
お互いの国の料理を一品ずつ作るというワークショップ。
買い物から調理までをグループで行うというもの。
誰がファシリテーターをするんだ?という問題もあったのだが、
福農の校長先生から
「田谷ちゃんがやってよ」
の一言で、タ農に訪問するであろう二日間だけ僕が引率することになった。
ほとんどトンボ帰りの状況なのだが、
いろいろと福農からはお世話になっているので
校長先生からお願いされれば、いやとは言えない。
ちなみに予算はないので、ワークショップなどの活動に関する
僕の日当はこれまでも出ていないし、これからも出ない。
まぁ、僕にとってこの活動は、
そういうのをもらってやるような活動でもないしね。

さて、そのインドネシア・タ農訪問に向けて、今回の引率の先生と
ワークショップを含めた議論を詰めておかねばならなかった。
文章のやり取りだけでは、絶対に勘違いが生まれて
お互いに、あまり建設的でないワークショップになる可能性があるからだ。

とりあえず打ち合わせではこちらのやりたい事や
イメージしていることを伝えることができた。
それほど難しいワークショップでもなく、
ワイワイと楽しく買い物から料理を一緒に出来れば問題はないので
あちらも、それくらいなら簡単だ、といった感じだった。
が、ただ今イスラムは断食中。
長距離移動で疲れもたまっていてか、
先生や生徒の集中力がほとんどない状況だった。
打ち合わせをしながらも、引率者の先生の1人は
たびたび白目をむいていたし
もう1人の先生も、打ち合わせ後半になると
「大丈夫、出来る、出来る」
しか、話さなくなっていた。
このご一行様は、福井訪問の後、群馬・茨城とまわって
東京を観光して来週にインドネシアに戻る予定となっている。
たぶんその旅程の間に、今回の打ち合わせ内容は忘れてしまうに違いない。
僕はひそかにそう思っている。

さて、打ち合わせや学校視察後、
ご一行様は福農を離れ、東京に向かうべく小松空港へ。
ただその途中で、僕の農園も視察してもらった。
農業研修事業と、生ごみ堆肥やバンカープランツなどを活用する
持続可能な農業の模索などを視察してもらった。
研修棟の視察では、視察団から
「これなら後、2~3人は受け入れられるのでは?」
と、他の農業高校からも受け入れてほしい旨を伝えられたが
僕としては、将来的には分からないが
今は福農とタ農の友好関係を大事にして
タ農卒業生だけを対象としたい、と思っている。
インドネシアの一部の地域に、うちで鍛えた研修生たちが
農民として結束をしながら、その地域おこしをしていく。
僕は今、そんなことを夢想しているのである。
地域をおこしていくには、「仲間」が必要なのだ。
1人の素晴らしいリーダーがいても、仲間がいなければ何もできない。
いや、僕に言わせれば、素晴らしいリーダーなんて絵に描いた餅でしかない。
そんなもの地域おこしがある程度進んだところで
後から付いてくる形容の1つでしかない。
一緒にやる仲間がいることこそ大事なのだ。
だとしたら、広く浅く、インドネシア各地から研修生を受け入れるよりも
何かの縁でつながったある地域から研修生を受け入れた方が良いだろう。

そんな議論をしながら、ご一行様を小松まで見送った。

こうして短い通訳の仕事を終えた。

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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

俳句もしております。「雪解」「街」「いつき組」に所属しております。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
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