不思議な食べ物がある。
食べるとみんな
「美味しい!」
と大絶賛してくれるのだが、
八百屋や仲買に持っていっても
「売れないからいらない」
と言われる食べ物。

それは、食用ホオズキ。

7月の上旬から収穫が始まって、
取ろうと思えば、9月いっぱいは収穫できる作物。
日本の在来のホオズキと違って、色は黄色。
食用という名前だけあって、食べられるのだが
糖度の高い品種から、酸味の強い品種まで様々である。
ちなみに今年は、8品種栽培し
そのうちの3種を出荷している。

僕の農園に見学に来るお客さんは必ず
「これは美味い!これは売れますよ!」
と言ってくれるのだが、
流通の間を取り持ってくれる仲買や八百屋に持っていくと
「なかなか売るのが難しいよ」
と言われてしまう。
なんでだろう???

一つには、食べてみないと解らないというのがあろう。
日本在来のホオズキは、食べられるものではなく
ホオズキと聞けば、多くの人があの味を連想してしまうからであろう。
だから、一度試食でもしない限り、
食用ホオズキなんてものを買おうという消費者は少ないのである。

また仲買や八百屋が食用ホオズキを出荷している先は、
多くがレストランである。
肉料理やサラダの付け合わせに、1個か2個飾り付ける程度なのだ。
その程度の需要では、ぜんぜん消費量は拡大されない。
だからすぐに、供給が需要を上回ってしまって
「しばらくいらない」という八百屋のセリフにつながっているのだろう。

一度食べなきゃわからないのなら
対面販売で試食でもしてもらえればいいのだが、
今の僕にそんな時間なんてないのだ。

ワインを定期的に買っている酒屋(ワイン通)からも
「田谷さん、これはシャンパンに合いますねぇ」と言われる。
そんなこともあったかと思えば、
「先日レストランで食べて、びっくりしたので直接買いに来ちゃいました」
という主婦風の方も、わざわざ農園まで来てくれて、
キロ単位で買ってくれたりもする。
一昨年は1個も売れずに完敗してしまったスーパーの直売コーナーに
今年も試しに並べてみたら
1日で完売してしまった。
仲買は「売れない」って言っていたのに。
ここまでみんなの評価がまちまちなのも珍しい。
このギャップにこそ、
「ものを売る」という行為についての成功の鍵や
流通のツボが隠されているように
僕には感じられるのだが、
どんなにない頭をひねっても、
そのポイントがうまく絞れきれないのである。

とにかく、売れないと酷評されつつ、美味しいと絶賛を受けている
食用ホオズキの生産販売はこれからも続くのである。

みんな、見かけたら買って食べてね。
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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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