前回の座学では、鳥の眼で考える大切さを実践しつつ話した。
その時の宿題が、昨日提出されたので、今日それについて議論。
週に1回の座学だったが、引っ越してからは週2回になり
研修生はやる気満々なのだが
こっちがついていくのが大変になってきた感はある。

さて、鳥の眼。
要は地元の地理的要素。
その地理が育んだ歴史とそれを認識することで醸成された
そこに住む人々の意識まで読みとれれば、及第点だが、
実際に山に登って、研修生が各自の村を見たわけではないので
その考察は、あいまいな点が多いのはやむを得ない。
それぞれの考察に、僕なりの分析を入れながら議論をした。

研修生イル君の村は、何と言っても標高が高い。
1500m以上の高地に位置しているため、インドネシアながら涼しいのが特徴。
そしてこの涼しい気候を利用して、お茶栽培が盛んにおこなわれている。
国営のお茶畑もありつつ
大企業のお茶畑も山を覆うように広がっているとか。
なので、イル君の村の住人のほとんどは、それらお茶畑と関連工場で働いている。
また自分たちでも少しの茶畑を持ち
その工場にも出荷している。
大企業と国営農場と関連工場があるため、
山を切り開いて、大型トラックでも行き来ができる立派な幹線道路があるという。
その流通と涼しい気候を活かして
イル君の村では、高原野菜の栽培が盛んだとか。
ただ、市場までは遠く、車で3時間以上かかるため
大抵の農家は、村内の商人に安く売り渡すしか手はない。
イル君の村を事前調査してくれたA女史のレポートにも
村内の貧富の格差が激しいと書いてあったのだが、
まさにそれは、こう言った地理的条件が重なりあっているからであろう。
A女史のレポートには、イル君の村人は
水田を至上の価値として捉えている一般的なインドネシア農民像ではなく
「米は買えばいい」という意識が醸成されているように書かれていた。
それは、その地理的要因が大きいであろう。

さて一方、H君。
どこにでもありそうな一般的な西ジャワの農村。
一般的というのは語弊があるかもしれないが、
大企業の工場もなく、特に野菜の産地でもなく
高地でもない。
ただ水源がしっかりしているため、ポンプや井戸なしで
年に3回米がとれる。
そのため住民の意識は米に寄っており、
市場に比較的近い位置に、むらがあるのだが、
換金作物を作ろうという意識が乏しいように感じた。
村に入るには、徒歩以外は無理で
車やバイクが入れるような道はない。
それは、それだけ険しい山村ということも言えるのだが、
農作物を外へ持ち出して流通させようという意思を醸成しない要素にもなる。
ただ、村の土地で、山頂近くの畑には
材木を切り出すための道路があり、そちらは車が入れるのだとか。
H君の村でも、人口がどんどん街に流れていくのだとか。
それを食い止める手段としては、
その山頂近くの畑で野菜作りをすることが、一つのカギなのかもしれない。

彼らからの話に僕なりの分析をつけ足しただけなので、
考察に幅がないのだが、
こういう風に、地理的要因とそこから醸成される村人の意識を
読み解いていこうという姿勢が、鳥の眼の分析である。
少しでも、そのエッセンスが理解してもらえたなら良いのだが、
どうだろうか。
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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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