07 13
2006

キスジノミハムシ。そういう虫がいる。運悪く、人間から『害虫』と呼ばれ、大量虐殺されるの運命を歩んでいる。

数年前までは、うちにとって、この虫はなんてことない存在だった。野菜の食害はもちろんあったが、びっくりするほどの害でもなかった気がする。

しかし、販売ルートを新たに開拓し、業者が変わり、野菜の種類が変わり、業者の求めるものが変わった今、キスジノミハムシは、まさに『害虫』と呼べる存在になっている。とくにベビーリーフという野菜においては、もっとも深刻な害が出てしまっている。

一昔前だったら、きつくて強い農薬をがんがんかけて、まさに業界用語の『虫をたたく』の言葉がぴったりの農薬散布をすれば、それなりに効果があっただろう。しかし、今はそうはいかない。ポジティブリストなるものがあるからだ。

もちろんそのリストがなくても、以前から農薬の種類もずいぶん変えてきたし、使い方も気をつけるようになっている。出来るだけ無農薬を目指してもいる。

で、今。その虫をたたきたいのだが、出荷間近の野菜に農薬はやれない。今は泣く泣く、食害にあった葉をちぎりながら、ベビーリーフを収穫している。手間は今までの3倍以上。この季節、ハウスの中は40度以上にまであがるので、暑さも手伝って、気持ちが萎えるのは今までの10倍以上。

しかし萎えっぱなしにもなってはいられない。そこで収穫後の畑を太陽熱処理することにした。農薬に頼らなくても、害虫は防げるはず。輪作のローテーションを変えたり、混作したり、天敵を増やす工夫をしたり、太陽熱を利用したりなどなど。あと、そもそもその害を受ける野菜の栽培をやめるのも手だろう。

キスジノミハムシ。自然界では、ミリ単位のただの虫。ただちょこっと運が悪く、人間が栽培する作物をたまたま好んで食べるだけ。いやそれとも、人間が野菜を栽培するからキスジノミハムシが大量虐殺の目にあっても、その繁栄を謳歌しているのかも。いやいやもしかしたら、環境をいじりすぎた中で栽培される野菜だからこそ、キスジノミハムシが警鐘をならしているのだろうか。まぁ、そんなことはないだろうけど、ただでさえいじりすぎた環境なので、せめて僕は生物界の一員として、もう少しまっとうな方法で防除しようではないか。
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その話、今日の会議で出ていました。
たやーんが!テレビで言ってたって!
TVでポジティブリストのこと何か話した???

yamatoさん

うん、テレビで農薬の話をしたよ。マイナーなローカルニュースだったけれど、結構みんな見てんだねー。
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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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