夜、割り当てられたむらの家を回る。
むらの農家組合の役員で、水稲共済異動申告票などの書類を
各農家に配って歩いた。

今の農水大臣が何やら言っているようだが
今年も例年通り、先日の役員会で、今年のむらの減反率が決まった。
それに合わせて、各農家に要請する減反面積を割り出し、
書類を配って歩く時に、その減反要請面積を伝えて歩かねばならない。

うちのむらの水田は80ヘクタールを超え
農家組合の組合員は73世帯
実際に耕作しているのは、このうち40世帯弱。
この40件弱に対して、各家の減反要請面積を伝え歩かねばならないのだが
田んぼの耕作権が複雑に移動し合っているため、
その都度、地図を広げ、聞き取っていかないといけない。
しかも、管理の都合上や農地の形、あとうっかりしていたなどなどで
減反の要請面積から100や200㎡ほど足りない農家が
実測し始めると続出してくるもので、それらの足りない分を
ハウス園芸農家など、自動的に減反をたくさん行っている農家から
少しずつ振り分けて、最終的にはむらの減反率を達成するように
調整するのが、農家組合の大きな役割の一つである。

減反政策だとかなんとか言いながら、
行政は各戸に減反の計算はしない。
農協を通じて、地域に、そしてむらに丸投げしてくるのである。
地域では、JAの加工用米(もち米)の出荷を村ごとにどれだけ請け負うかによって
村の減反率を下げることができ(もち米は減反になる)、
むらでは、畑や園芸をしている農家等との間で調整して
戸別には減反達成していなくても、むら全体で達成できるように調整するのである。
このやり方が、なんだか江戸時代の年貢請負制のようで
むらで受けた年貢を、戸別にはどこかの家がダメでも、
村全体で達成するような感じなのだ。
そう、これが村の大きな役割のようにも感じる。
行政と各戸の間に、それらの政策の緩和剤として存在するむら。
その調整の経験が、ぼくには、
行政と従属的な関係に固定化されているものではなく
むらの自治能力に反映しているのではないか、と映るのである。

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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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