インドネシア研修生のHくん。
これまで、何度か温泉に誘ったのだが、決まって答えは
「また今度」
と、繰り返すばかりだった。
ところが、どういう心境の変化なのか、
今日に限っては、即答で「行きます」だった。
というわけで、Hくんの温泉デビューとなった。

インドネシアでは、風呂に入る習慣がない。
と書くと、なんだか語弊があるが、
つまりは、バスタブに入って、体をお湯につかる習慣はない、ということ。
お風呂は、桶をつかった水浴びが主流で
行水程度なのである。

さらには、その行水も、服を全部脱いで
すっぽんぽんですることはない。
サルンという筒状の布をスカートのように腰に巻いて、
それを着たまま水浴びをする。
(女性の場合は、胸のあたりからその布を巻いて浴びる)
その布の下は、それぞれだが、
下着はそのまま着けて浴びていたりもする。

つまり、僕がここで言いたいのは、
H君は丸裸になって、しかもそれを大衆に見える状態で
お湯につかるという、インドネシア人から見れば奇異な日本の習慣を
初めて体験した、ということである。

さて、その温泉でのこと。
H君は、入ると決めたものの、
やはり人前で丸裸になるのは抵抗があったようで
最後の最後までパンツを脱ぐのをためらっていた。
が、覚悟をきめて、パンツを脱いで湯船に。
湯船に入るのも初めての経験らしく、
熱い熱いと言いながら、ためらいながら湯船に体を沈めていた。

話を聞くと、なんでも知り合いのインドネシア人(福井在住)が
毎週のように温泉に入っているとのこと。
すっかり温泉が好きになってしまった彼から、温泉の話を聞かされて
自分も入ってみたくなったそうだ。

風呂上りに感想を聞いてみた。
「気持ちいいです。でも熱かったです」
との回答だった。
そして、「裸で入るのはやはりどう見ても変な感じです」
とも答えていた。

僕らにとっては普通のことでも
外から見れば、至極変な習慣に見えるようである。
混浴もあるんだよ、と教えてあげると
どぎまぎした態度をしていた。

まぁ、今ではそういう場所はほとんどないけどね。
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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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