07 04
2006

掘る。ハウスの中の土を。
そのハウスは、建てられてから25年が経っている。つまり、25年間自然状態ではなく特殊な環境だったということ。その土の中がどうなっているのか急に知りたくなって、穴を掘る。

15cmも掘らないのに、土が固くなる。そこから30cmくらいまでの15cmほどがものすごく固かった。これは自然状態の土ではあまり無い。

この原因はトラクター。トラクターは普通の耕起ではぜいぜい12,3cmほどしか土をかき回せない。そしてその重みで、12,3cm以下の土を踏み固めてしまう。だから露地でも、トラクターが良く入る畑は、この固い土の層が出来ていたりもする。この固い土の層が、水はけを悪くし、夏場に立ち枯れを起こす原因にもなる。

さらに掘り進める。60cmほど掘ると、土の色が変わった。粘土の色に。
もともとそのハウスは田んぼだった場所に建てられたもので、だから粘土の層が出てきたのだろう。でもなんで60cmも下に?

うちのハウスはあまり客土(よそから土を入れること)をしない。だとすると、なんで60cmも下に粘土の層があるのだろうか。答えは、トラクターの深耕がだいたい50cmほどだからである。年に何度かは、トラクターで深耕をかける。普段の耕起では12,3cmしか土をかき回せないのだが、深耕だと50cmほどはいける。だからもともとは粘土の層はもっと浅いところにあったのだろうが、深耕のせいで、土と混ざってしまったのだろう。

その粘土の層には、微生物や小動物があけたと思われる穴が無数にあいていた。しかし、その上の層にはあまり見られなかった。粘土の層は、その上の層よりも若干やわらかいように感じたが、土の硬度をはかる計測器がないので、よくは解らない。

驚いたのは、残根。うちは軟弱野菜といって、葉物野菜ばかり作っている。しかもベビーリーフのようにあまり大きくならないうちに収穫する野菜が多い。なのに、残根は60cmの層まで見られた。

先日、農業普及員さんがうちに来て、『こんなに頻繁にハウスで軟弱野菜を作っていると、大量に肥料を入れないといけないですよね。どれくらい入れていますか?』と聞いていた。しかし、うちでは堆肥はそれなりに入れるが、ほかにはあまり入れていない。地上物だけを見ていたら、すごく土地を収奪しているように思われるかもしれないが、軟弱野菜でも残根の量はたいした量になるのではないか。それが土を支えているのではないか。

守田志郎の言葉がよみがえる。『作物は自分で自分の面倒を見る』。そうかもしれない。作物を生産している、と考えると、必要な栄養要素をNPKで考えたり、温度・水の量などなどと考えてしまうが、農業とは、作物は勝手に育つのだがその育つのを少しばかり手伝いすること、だと考えれば、そういう風にはならないのだろう。

40度を超える中で、ひたすら穴を掘り続けたので、すこし頭がおかしくなったのかもしれないが、そんなことを考えた。普段とは違う角度から物事をみると、すこし違って見えるものである。
関連記事
Comment
Trackback













管理者にだけ表示を許可する

Comment form

田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
taya.tアットマークnifty.com
です。
(アットマークを@に置き換えて送信ください)

プロフィール
07 ≪│2017/08│≫ 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
カレンダー(月別)
カテゴリ
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

メールフォーム

Page Top

Powered by FC2 Blog |

FC2Ad

| Template Design by スタンダード・デザインラボ