Nさんへのインタビューから、
彼の農を際立たせているキーワードが見えてきた。
それは、「雇用」、「研修(新規就農者)」、「市場」、そして「農法」である。

まずは「雇用」。
N農園では現在26名雇用している(そのうち、中国の研修生が5名)。
彼の家族は、まったく農業に従事していない。
彼自身も、家族で経営する農の形をはじめから目指してはいなかった。

Nさんの出発点は、ブラジルにあった。
彼は学校を出たばかりの若いころに、「コチヤ青年」というプログラムで
ブラジルに移住を試みている。
そこでは、南米一のジャガイモ農家のもとで、農夫として働いた。
そのブラジルの農家は雇用中心の大規模農業で、
それがNさんの農業のモデルとなった。
諸事情あって、ブラジルからは5年で日本に戻った。

ゆるやかな棚田が狭い谷あいに広がっている、
決して恵まれているとは言えない故郷の農地で、
彼は露地でナスを栽培し始める。
家族でやる農業は目指さず、はじめから雇用ありきの農業を夢描いていた。
ナス栽培は最大で1haに達した。
雇用も地元に関係なく、3~4人を雇った。
しかし、露地のナス栽培は、夏季に農作業が集中し、
冬季には農作業がほとんどないため、雇用が安定しなかった。
冬季の間だけ、雇い人に休んでもらうと、仕事のできる人に限って
次の年にまた働きに来てくれるように頼んでも、
別の仕事に就いていることが多かった。
Nさんは、雇用でやる農業は人材確保と人材教育が大切だと考えている。
そこで、雇用でやれる農業にするには、
作目を、一時に忙しさが集中する果菜類ではなく、
通年で安定出荷が見込め、安定して農作業がある葉菜類に切り替えることにした。
目を付けたのは「葉ねぎ」。
昭和62年のことだった。
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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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