小さな凧揚げ大会があった。
地元の公民館や青年会主催で。
うちの村も毎年参加しており、凧を作るのは青年会の役目。
今年、村の青年会の役員をしている関係上、凧を作って
凧揚げ大会にでることに。

地元の小学校では、昔から凧揚げ大会をしている。
その関係上なのか、公民館では地域のお祭りとして、
大人から子供まで参加できる凧揚げ大会を企画実行している。
うちの村では、2メートルを超える凧を2枚作って参加(1枚は試し揚げの時に壊れる)。
それ以外にも、娘と一緒にひし形の凧を1枚(1メートルほど)作って、娘も妻も参加した。

先週、妻が出張中に娘と2人で凧を作った。
日曜日に凧揚げ大会にでるということで、妻が図書館から凧の絵本を借りてきており、
その絵本に影響されるように、ひし形の凧を作った。
凧に絵を描いたのは娘。
絵本の凧のように、面いっぱいに顔を描いた。
途中から、僕は作るのに夢中になってしまい、娘をそっちのけで作っていたら
「もうパパとは凧作らない!」
と娘に怒られる一幕もあった。

さて、凧揚げ大会。
朝から村の役員は集まったのだが、村の凧は昼から揚げるということで、
それまでは村のテントの中で、飲み会になっていた。
僕は娘と妻と3人で、自分たちで作った凧を揚げることに。
が、風がない。
それでも参加した子供たちは、一所懸命走って凧を揚げようとする。
しかし、疲れて立ち止まれば、凧は失速。

それを見て僕は、もう少し待たないと、と言ったのだが
ぐずる娘と凧揚げがなんたるかを理解しない妻は、
走ってあげようと言ってきかない。
そんなことをしても、失速して下に落ちて凧が壊れるだけなのに。
大会委員の人が、何とか走り回って凧を揚げようとしている子供たちに
「風がでるまで待ちなさい」と言い聞かせているのを
妻がきいて、ようやく僕が言うことを納得したようだ。

あとは村のテントにもどり、風がでるまでビールを飲んで待つことに。
それを見て妻は、
「なんともゆる~い大会ね」と言っていた。
が、凧揚げなんてものは、そんなものなのだ。
風がしっかりと吹くまで待つ。それ以外にない。
学校の行事での凧揚げの時も、
凧を揚げている時間よりも木陰で友達としゃべりながら
風を待っていた時間の方が長かったのだ。

ビールも程よく飲んで、村の役員が持ち込んだ鉄板で焼き肉もして、
ほろ酔いになったころ、風が本格的に出始めた。
それでも大凧にはまだまだ不十分だったので、娘の凧から揚げることに。
左右のバランスが悪いのと尾っぽの長さが足りなかったため、
揚がるのは揚がったのだが、8の字を描きながらの暴れ凧になってしまった。
風が強まると、そのまま急降下してしまい、破損。
それでも娘が喜んでいたので、よかった。

風が本格的に強まったので、村の大凧を揚げることに。
事前の糸張りにずいぶんと調整をしたためか、試し上げよりも高く飛んだ。
が、凧の角度が悪く、風を受け止め続けることができず、風が少しでも弱まれば
失速して落ちてしまった。
そんなことを何度か繰り返した後、凧が破損してしまい、村の凧揚げはおしまい。
それでも、凧の調整や凧を揚げようとしているときは、
老いも若きも皆、子供に戻っているような眼をしていた。
かつて、それぞれが経験した小学校の行事で6年間凧を作った時間が
それぞれの中でよみがえっているようにも見えた。
みんな同級生というわけではなく、世代もまちまちなのに
同じような時間を同じような場で過ごした人々には
蘇る時間が、地域的普遍なものではなく、時間的普遍なものして現われてくる。
そんな時間を村のみんなと一緒に過ごすのは、なんとも贅沢だった。
娘と凧を作ったとき、娘そっちのけで凧を作ってしまったのは、
僕だけが、あの頃の時間に戻っていたからかもしれない。

風が出るまで風待ちをして、
風が出たら凧を揚げよう。
凧を揚げたら、それぞれの時間が、それぞれに巻かれて
あの経験したかつての時間へと戻っていく。
そんな凧揚げ大会だった。
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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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