昼間はまだまだ暑いのだが、
朝夕はすっかり秋めいてきたこの頃。
夏野菜の圃場の片付けも、ぼちぼちと始まる。
今日は、モロヘイヤの圃場の一部を片付けた。

モロヘイヤ自体はまだまだ収穫できるのだが、
5月の用意した畑のモロヘイヤは、茎も硬くて細くなってきたので
収穫をやめることにした。
今は、7月下旬に新たに播きなおした畑があるので、
そちらの茎が柔らかくて太いやつを収穫している。

さて、モロヘイヤの後片付けなのだが、
約2mに伸びたモロヘイヤの株を、引っこ抜いて運び出す作業。
根が残っていると、次の作物にも結構影響があるので、
時間がある時は、引っこ抜くようにしている。
この作業がなかなかの重労働。
そこで、期待の大型新人であるセネガル人のI君に、この手伝ってもらった。

期待通り、僕の倍以上のモロヘイヤを掴み、軽々と引っこ抜いていた。
慣れない作業のためか、後半はバテていたが、
それでも通常より短い時間で、この作業を終了した。

その夜、I君の妻であるAさん(日本人)から電話があり
日中のI君の農作業の様子などを少し話す。
その時Aさんから
「Iはモロヘイヤを引っこ抜くのになぜ機械を使わないのか、不思議がっています。」
と聞かされる。
彼がここにきて初めて見たのは、コンバインによる稲刈りだった。
大量の稲を片っ端から、どんどん刈り取るコンバインを初めに見てしまったのだから
そう思っても無理はないだろう。

モロヘイヤの後片付けにまで機械を使うようになれば、
たぶん僕はI君を雇えやしないだろう。
そしてもっともっとモノカルチャー化しなければ、
その機械の投資分もペイはしないだろう。
僕もずーっと以前は、I君のように機械化ができる作業は
機械化していくことが良いと思っていた。
が、しかし、それをすることの基本となる思想に気がついてみると
どうもそれは自分の目指す農業とは違うんじゃないかって気がついた。
I君のような視点で議論すれば、農業にも二つの路線があるだろう。
労働を集約させていくのか、
それとも資本を集約させていくのか、の二つの路線。
そして、それは農の営みにも大きく影響してくる。
労働を集約させていく路線では、作物の多様化が進んでいくが
資本を集約させていく路線では、ある程度モノカルチャー化が進んでいく。

労働の辛さだけに目を向けて、単純に機械化を目指せば
気がつけば、自分の思い描いえていた農業とは違うものになっていくこともあるだろう。
僕の農は、労働を集約させる方向へ向かっている。
だから就農した時に、まず建てたのが、研修棟だった。
多くの人が集えるように、と。

だからI君。
疲れるだろうけど、僕たちは汗をかきながら、
手作業でモロヘイヤの後片付けをするんだよ。


I君のような僕とは差異のある視点から、僕の農への考えが浮き彫りになっていく。
面白い。
だから僕は、やっぱり人を集めることに向かっていくのだろう。
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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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