稲刈りの季節。
老婆が一人、藁を集めていた。
村の人の田んぼで、コンバインで刈り取った藁を
肥しの袋に入れて、せっせと集めていた。
その老婆とは、祖父の姉。
近所に一人で住んでいる。

何にするのか尋ねると
「どうやら来年も命がありそうなんで、畑の敷き藁を集めてるんや」とのこと。
この老婆は、庭先の家庭菜園で少なくとも30種ほどの野菜を育てて
自活している。
昔から、そのスタイルは変わらない。
その畑で、スイカやウリ類を栽培しているのだが、
ビニルのマルチでは「スイカが焼ける」と言って、
それだけを使うことを老婆は嫌う。
夏の野菜が終わりを迎えるこの時期。
老婆は来年のために藁を集めていた。
そういえば去年も一昨年も、この時期老婆はせっせと藁を集めていた。
それは、
生活の流れが分断されない、
もしくは細分化されそれらが切り離して別々に独立して存在していない円環の時間に、
彼女が生きているということなのだ。

毎年巡ってくるものに、毎年思いをはせながら生活をする。
その流れを季節ごとで分断せず、大きな流れの中で営む生活。
混乱なく、作物を作りまわしていく技能。
それはそういう生活の息遣いなのであろう。

僕は彼女を尊敬して止まない。
関連記事
Comment
Trackback













管理者にだけ表示を許可する

Comment form

田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
taya.tアットマークnifty.com
です。
(アットマークを@に置き換えて送信ください)

プロフィール
07 ≪│2017/08│≫ 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
カレンダー(月別)
カテゴリ
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

メールフォーム

Page Top

Powered by FC2 Blog |

FC2Ad

| Template Design by スタンダード・デザインラボ