カブラハバチの幼虫が出始める。
成虫の大量発生をこの辺りで観察したのは、大型連休の直後。
その後の大発生に気をつけて、これまで観察してきた。

作物の品種にもよるだろうが、
うちの農園の周りには、雑草のイヌガラシが結構生えていて、
僕の観察では、カブラハバチの幼虫は、うちの農園の野菜よりもまず先に、
そのイヌガラシに付く傾向があるように思える。
今回も施設近くのイヌガラシに大量に群がるカブラハバチを発見。
そのため、ハウス内の作物も見て回ると、ぽつりぽつりだが
カブラハバチの幼虫を見かけた。

カブラハバチはアブラナ科が大好きだ。
そしてうちの農園では、
ルッコラからワサビ菜、ターサイ、水菜、つまみな、西洋からし菜などなど、
多種多様なアブラナ科の野菜を栽培している。
中でもカブラハバチは、栽培品種の中では水菜がお気に入りで、
その水菜から付く傾向がある。
だから、施設内外の雑草のイヌガラシと施設内の水菜を特に気をつけてみていけば
初期の発生に気が付くというわけなのだ。

コナガも少々ひどくなってきたので、
今季初で農薬のBT剤を散布する。
BT剤とは、バチルス・チューリンゲンシス(BT)という細胞(菌)を
利用した殺虫剤のことで、微生物農薬の1つである。
農薬と言っても、化学合成農薬とはまた別系統。
有機栽培にも使用可の農薬の1つなのである。

BT菌の殺虫たん白は、アルカリ性の消化液で吸収され、効果が発揮される。
アオムシたち(鱗翅目の幼虫)は、消化液がアルカリ性であるため、このBT菌によって
食中毒をおこしてしまうというわけなのだ。
ちなみに人間の場合は、胃酸ともいわれるように、胃の消化液が酸性なので
BT菌の殺虫たん白は吸収されない、らしい。
散布作業をみていた友人のIさんは、

「つまりは細菌兵器によるアオムシくんの大量虐殺ですね」

とポツリ。
まぁ、そういうことなのだが・・・。
それでも天敵や他の「ただの虫」には影響もかなり少なく、
有機リン系・カーバメイト系・合ピレ系の農薬と違って、
圃場内の生態系を壊滅させることはないのだ。

散布にあたっては、
他の化学合成農薬と違って、薬剤が葉のクチクラ層に浸透移行して
作物全体に効果を発するわけではなく、
BT菌が付着した部分を害虫が食さない限り、効果が出ない。
そのため散布ムラがあると、効果が低くなってしまうのだ。
なるべく散布ムラがないようにするため、
散布時に静電気ノズルを使い、薬剤に静電気を帯びさせ
葉の裏面や全体にまんべんに付着するように、心がけている。

農薬を散布しないに越したことはないのだが、
どうしても単一の作物だけを、市場価値の高い商品作物として栽培する場合、
やむをえず農薬散布をしなければならない時がくる。

だが、初期発生を見逃さず、
適切で生態系にも配慮した農薬を選択し、
散布ムラもなく丁寧に作業すれば、
安全に、そして確実に防除はできるはずなのだ。

かつて青年海外協力隊の農業の技術顧問が
「圃場では、作物ばかりを見ず、周りに生えている雑草もよく見なさい」
と言っていた。
なんのことだか、その時は解らなかったのだが、
今にして思えば、
害虫も養分欠乏症も土壌酸度も、周りの雑草から学ぶことが多いことに気が付く。

肝心なのは
観察力と正確な判断と選択なのだろう。
今年も虫たちとの戦いが、本格的に始まった。
関連記事

ついに、我が家のプランターベビーリーフは全滅しました。まるでレースのように穴だらけになったベビーリーフが3本立っています。
でも、同じプランターのサニーレタスは無傷で、本葉も6枚くらい出てきました。1本しかないのですが、とても愛しく感じます。ナメクジに見つからずに、もうちょっと大きくなって欲しいと願っています。
カブラハバチは、1年中いるのでしょうか?
昨日も、何もないプランターの近くを成虫がうろうろしていました。
まだ、種が残っているのですが・・・。

ルッコラの種も一緒に買ってみたのですが、ルッコラも同じ運命になりそうですね。
先日、田谷さんのところのルッコラでカルパッチョを作りました。味が濃くてぴりっとしていておいしかったです。

それでは、また。

しみずさん、コメントありがとうございます。

あらら・・・、やはり全滅しましたか。
ルッコラは、
カブラハバチはあまり好きじゃないのですが、
それでもアブラナ科なので、そのプランタに播くと
また同じ結果になりそうですね。

カブラハバチは、これから秋までいますが、
夏前から、うちの農園では、
それほど気にならなくなります。
その頃には、また別の害虫が出るんですよ・・・・。

ルッコラ、また買って食べてくださいね♪
Comment
Trackback













管理者にだけ表示を許可する

Comment form

田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
taya.tアットマークnifty.com
です。
(アットマークを@に置き換えて送信ください)

プロフィール
07 ≪│2017/08│≫ 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
カレンダー(月別)
カテゴリ
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

メールフォーム

Page Top

Powered by FC2 Blog |

FC2Ad

| Template Design by スタンダード・デザインラボ