いよいよこの日が今年もやってきた。
農薬散布の開始日。
暖冬と言われた昨年よりも20日以上も早い。
(昨年は4月17日散布開始)
今年の3月のあまりの暖かさに
虫はよく反応しているようだ。

ベビーリーフについた無数の穴。
キスジノミハムシの仕業。
一般的に10度前後が、虫が活動を開始する気温。
夜温が下がりにくく、昼間の換気もスムーズじゃない
鉄骨H鋼の間口18mのハウスに、一番先に虫が発生する。
散布するのは、ネオニコチノイド系のモスピラン4000倍。
先日読んだ「作物の健康」では、
チッソや塩素を含む農薬の散布が、作物の微量要素摂取を阻害し、
そのことで作物内内でのタンパク質合成が阻害され、
害虫に対する感受性を高める(害虫の栄養改善)ことにつながる、
と指摘していた。
まさにモスピランもその1つだろう。
薬剤のすばやい浸透移行により、多くの害虫から作物を守ってくれるのだが、
同時に、作物に対しても大きな影響を与えているのだろう。
これまで、本薬剤は天敵類(クモなど)やただの虫(作物を直接食べない虫)には
あまり影響がないということで、ダーウィン主義的な発想から
本薬剤を使ってきた。
が、作物に対しての影響を考えると、あまり妥当ではないのかもしれない。
ただ、この時点では、次の薬剤候補がないので、
本剤を散布した。
↑そもそも、こういう考え方が、毒物で害虫を徹底的にたたく、という消毒思想であり、作物の健康を書いたフランシス・シャブスーの批判するところなんだろうけど・・・。

化学肥料を止めて、
堆肥を大量に投入して、
毎年の土壌検査でもまずまずの結果を得ている、うちの農園なのだが
それでもシャブスーのいう
作物につく細菌や虫がもはや目障りになることはない、
といった状況には、なかなか達しない。
露地で、何十種類もの作物が混在している自家菜園では
そういう状況を作り上げられるのだが。
換金目的の作物の集約的栽培の場合、
家庭菜園のようにはいかないのである。
(経営上の合理的な選択として)

環境や人に対しての低毒性は当たり前なのだが、
今後、作物への影響(タンパク質合成阻害という意味で)をも考慮せねばなるまい。
タンパク質合成が促進されるような栽培法(微量要素との関係)を
取り入れていかないといけないだろう。
だが、とりあえず現時点で農薬散布を止めることは出来ないだろう。
僕ら農民は、立ち止まって考えてなんていられない。
なんせ目の前で、作物が害虫に食されている事象が起きているのだから。
だから走りながら(散布しながら)考えていくしかない。

そんなことを考えながら、
農薬の散布を今年も開始した。
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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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