安部 司 著 『食品の裏側』:みんな大好きな食品添加物.2005年.東洋経済新報社.

我々が日常に摂取する食品に、どのくらい添加物が入っているかを明かす書。とても食べられないくず肉を30種ほどの添加物でミートボールに仕上げていく様や、一切牛乳成分を含まずサラダ油と何種類もの添加物で作り上げるコーヒーフレッシュ等々、読めば以後とても口には出来ない話ばかり。
明太子の無着色という表示には、合成着色料を使っていないので添加物の使用が少なく安全だと、実は僕も思っていた1人。そもそも明太子に使われる添加物は10種以上。合成着色料の2~3種外したところで、添加物の大量摂取には変わりがない。

本書では、添加物そのものの安全性にも少し触れている。厚生労働省が一つ一つの添加物について安全性の基準を定めている(ねずみによるテスト)。しかし、筆者は言う。『Aという添加物があるとすると、Aのみで摂取した場合の毒性や人体への影響などは検査していますが、AとBとCの添加物を同時にとった場合はどうなのか-その「複合摂取」についてはまだきちんと研究されていないのです』。
そのような状況で、本書では1日の食生活の例として、コンビニやスーパーでの弁当に頼るあるサラリーマンの添加物摂取について記述がある。1日で延べ60種以上の食品添加物を摂取しているらしい。このような複合摂取は、安全性が解らないにもかかわらず、日常茶飯事なのである。

また表示についても興味深い説明がある。食品添加物は一括表示されているものが多いのだ。「調味料(アミノ酸等)」の裏側には、アミノ酸系の添加物以外にも核酸なども入り、何種類何十種類の添加物が一括表示されているのである。筆者は、食品業界に情報公開を求め、消費者が知らず知らずのうちに食品添加物の大量摂取させられている現状から、消費者が知って選んで摂取できるように啓発している。

筆者は、添加物は害悪ばかりではなく恩恵も受けているという。『自分で作れば2時間もかかるものが、加工食品を使えば5分でできる。スーパーやコンビニでは、いつでもどこでも簡単にそれほど高くない値段で食品が買える。本来ならすぐに腐ってしまうはずのものが、長持ちして美味しく食べられる。(中略)そんな「安さ」「手軽さ」「便利さ」-それは食品添加物があってこそのものです』。これは果たして『恩恵』なのだろうか。添加物について語る筆者の立ち位置に疑問を感じる。またこれを恩恵と呼べてしまう現代社会の構造にも問題があろう。

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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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