佐藤 亮子 著 『地域の味がまちをつくる』:米国ファーマーズマーケットの挑戦.2006年.岩波書店.

身内がアメリカに行くことになった。向こうに行く機会もできるだろう。その時までに、すこしアメリカの農業を勉強してみよう。それでとりあえず図書館で見かけたこの本を手に取る。

恥ずかしい話なのだが、アメリカの農業というと、すべてが大規模農業ばかりだというステレオタイプが僕の頭の中にある。それをとりあえず払拭してくれたのが本書。筆者が1年間の留学の合間に、出来るだけ見てまわったファーマーズマーケットについてまとめたもの。

内容としては、ファーマーズマーケットを運営することについての記述が多く、タイトルにある『地域の味がまちをつくる』ということについては、具体的な記述はすくない。直売所や農家市場を運営している人にとっては、ある程度面白いかもしれないが、食と農がアメリカの地において、どのようにつながっているのか、という具体的な話はほとんどないのが残念。グローバルスタンダードを発信しつづけているアメリカにおいて、ファーマーズマーケットが、アメリカに住む人々にとってどのような意味を持つのか、もう少し掘り下げて欲しかった。

ただ本書を読んで、同じ農業者としてファーマーズマーケットへの評価は変わった。ファーマーズマーケットを運営する人物が『いま世界は、「タンジブル(手にとれる、実感できる)」なものを求めている』と指摘する部分は非常に共感できる。このマーケットは、それを実現できる1つのツールなのだろう。だからこそ、なぜタンジブルなものを求めているのか、その背景にある人々の思いをもう少し丁寧に記述して欲しかった。
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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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