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4月3日に福井県で外出自粛の要請が出てから
僕らの営農は一変した。
業務向けの注文が99%キャンセルとなった。
3月の上旬までは、少し注文が減ってきたなぁ、と
いった程度だったが
中旬以降に東京や大阪などの都市圏の注文が激減し
そして4月に入り、福井でも外出自粛が出た瞬間から
まったく野菜の注文が入らなくなった。
とくにベビーリーフ・ルッコラ・わさび菜の3種は顕著で
現在、畑での大量廃棄も始まっている。

スーパーや生協などの宅配は好調だという。
農園の野菜はそこにも供給している。
だが、そちらの注文は減りはしていないが増えてもいない。
担当者から聞くところによると
サラダ野菜よりもブロッコリやキャベツ、大根などの
一般的な野菜の方が好調らしい。
少ない買い物機会で、長く保存のきく野菜が今売れているようだ。
農園では、楽しい食卓を演出するために
これまでサラダ野菜を中心に営農の柱を作ってきた。
今回、それがスポット的に影響を受ける結果となった。

独自の販売ルートを確立し
業務向けへの細かな需要にもこたえるような
生産体制を確立してきた農園では今、
そのすべてに逆風が吹いている感じだ。
これは平成30年豪雪で13棟のハウスが潰れた時よりも
大きな危機となっている。

行き場を失った業販向けの野菜たちは
スーパー等の市場で販路を見出せないかと
あれこれと考えるが
もともと一般市場向けと差別化を図ることで
その商品としての特徴を際立出せていたため
当然、価格的にも規格的にもスーパーには
なかなか当てはまらない。

では、それらの商品をあきらめ
売れるもの切り替えたらどうだろうか。
適者生存の考えから行けば
構造が変化したのだから、その構造に合わせて
自分たちも変化できたものだけが生き残る。
それは、この構造変化がどれくらい続くのかを
予想しなければならないという
一大決断を伴う難しさがある。
もし仮に、この危機がワクチンができるまで続くであれば
僕らは早急に自分たちの営農の再編成を行わないと
ここ数か月でつぶれてしまう。
だが、これが仮に2か月くらいで収まるのであれば
営農の形を変えてしまえば
元に戻ったときにまた
それらの市場を失うという困難が待ち構えている。
農業は、土を作り、種を蒔き、作物を育て、収穫する作業。
そこには何か月も前からの準備が重要で
今、作付けを変えたとしても
その変化は数か月後にしか結果が出てこない。
仮にそのころに元の構造に戻った場合
またそこから数か月かけて
元に戻す作業が待っている。
作物によっては来年まで対応できないものも
でてくるだろう。

一方で
こうした外食産業の崩壊という構造変化は
コロナ感染者数が減ったとしても
元に完全にもどるのだろうか?という疑問もある。
こういう業界は評判がとても大事で
もし収まっているコロナを再び自分の店で
クラスターを生み出してしまえば
社会的批判を浴びるのではないかと
お店を再開することに
二の足を踏むこともあり得るのではないだろうか。
いびつな形ながらも
ある程度は元に戻る力は作用するだろうが
それが元の形とはならないだろうな。

農園の商材の価格や規格の方向性を
今、まさに見直すときに来ていると感じる。
とにかく、僕らも大きな決断をして
変化に向けて進むしかないのだろう。




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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

俳句もしております。「雪解」「街」「いつき組」に所属しております。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

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