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ちょっと前の話で申し訳ないが、
先週15日の金曜日に
福井農林高校の1年生を対象に
90分ほどの授業を行った。

内容はおまかせとのことだったので
それぞれの農業がどうしてそのような農業形態になるのかを
農園たやの事例を使って解説した。

僕らが何を志向するのか
それが自分たちの農業を形作るのは
確かであるが
自然的、人的、社会的、文化的な要因が
大きく関係して今の農業が
持続的なカタチとして作り上げられているのも事実。
というか、その視点が無いから
それぞれの営農が失敗するわけでもある。
ちなみに
僕らの農業が破たんするのは
その外部要因を捉える自分たちの視点が
雲っていたり、またその視点を磨くことを
怠っていたりして
外部要因を間違ってとらえている場合だと思っている。

雪国でやや大きな規模でハウス栽培での
野菜専一の農業形態を目指したのは、
福井の野菜生産量と農家の高齢化を
見据えてのことだった。
あとインドネシアがらみの雇用ありきの経営が
前提だった僕らは野菜栽培しか
その解はなかったというのもある。

意外かもしれないけど
福井は、農業後進県である。
農業生産額は47都道府県で46位。
野菜の自給率は4割程度で
6割が他県産に頼っている。
農業者の平均年齢は70.2歳で
ここ5年で20%の農家が消滅した。

こんな農業の状況なのに
行政はいたって楽観的である。
今日の農業新聞の記事では
福井県の2019年度の農業分野の予算は
2018年に比べて3.3%減。
この状況の打破を全く考えていないのが
この数字からも解る。

こうした外部要因が
僕らを野菜に特化した農業へと走らせている。
つまり県外の6割の野菜が
僕らにとって輸送や鮮度で利のある市場となり、
ライバル農家は70.2歳なので、
それに勝てるような若手中心農業形態を作り、
インドネシアのような勢いのある国との
関わりを強くしてその成長を自分たちにも取り込み、
どうせ力を入れてくれない行政なら
その補助や奨励品目を無視した
多品目栽培で勝負する。
スーパーに自分たちのコーナーを作り、
レストランで自分たちの
自慢の野菜でシェフたちを唸らせたい。
さらに最近は地元JAと協働し
それらの低稼働率の施設を有効利用して
稼働率を上げることで
自分たちの更なる生産性をアピールしたい。
そして社会の疲弊や閉塞感を打破するために
インドネシアとの生産だけでなく社会的な係わりも含めて
還元していきたい。
これが僕らの勝負の仕方だと思っている。

というのが
僕らが野菜栽培をしている理由。
農業はその表象を
僕らがどんな視点で社会や文化や自然を感じ取っているかが
表現されているべきだと思っている。

これは間違っているかどうかは
人生をかけて証明できればと思うけどね。

という授業。
分からなかったかもなぁ~、と思っていたけど、
話し終ってから2名の女子学生から
「農園たやは高卒の採用はあるのか?」とか
「夏休みなどの長期休みにバイトをしたい」と
質問もあり、それなりに伝わったようで
嬉しかったね。



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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

俳句もしております。「雪解」「街」「いつき組」に所属しております。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
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