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1年生のアンギの心は揺れ動く。
月間レポートでは
帰国後のビジネスプランを作り上げていく作業をしているが
先月からアンギは
父のお粥屋台を引き継ぎたいと
言いだしている。

彼は自身の生活世界を把握するために
行ってきたプロフィールづくりのなかで
実際の営農に必要な資源の無さや
生活圏での土地購入のむずかしさに直面していた。
それでも何とか
夏が終わるころには親戚から土地を購入する約束も取り付け
ある一定の農地を確保していた。
しかし、その農地での営農計画も
先輩たちから計算式が間違っていることを指摘され
収益も大幅に下降修正させられていた。

農地を購入して
そこでの葉菜類栽培したいとの夢とが、
投資と収益の差が現実的な数字で表れたことに
愕然となり
彼はなかなか次の方向性が定まらないままだった。

1年生なのでそんなに慌てることはないのだが
毎月やってくる月間レポートの検討会が
彼の背中を押すのかもしれない。

そこで彼が行きついたのは
父親の生業である屋台によるお粥販売であった。
この生業を受け継ぎたいと言いだしたのである。

父親のお粥屋台販売は
僕としてはまったく知らなかったのだが
やり方次第ではかなりの売り上げがあることが分かった。
父親が息子に話す内容なので
やや話し盛り気味だとは思うが
それでも月に4,000,000ルピアの売り上げがあるというので
思っていた以上の金額に驚いた。
で、あまりにも良い稼ぎなので
良い仕事だねぇ~と褒めていたら
本人はどうもその気になったようで
急に先月からお粥屋をやりたいと言いだしている。

お父さんの仕事はお父さんの仕事。
それを取っちゃダメでしょ、
と諭すと、先月から今月の間に
お父さんと話を付けてきて
お父さんは足が悪いから、そろそろ引退したかったらしいとか
自分が出資して作るレストランの店番を父にさせるだとか
そんで代わりに自分がお粥屋をやって売り歩くとか
ノタマフ。

何かビジネスプランが無ければ落ち着かないのかもしれない。
で、それに向かっての行動力は大したものだけど
本当にそれがいいのかどうかは
僕には判断付かない。
ただこれまでの子たちを見ていると
最初の思いつきでそのままビジネスプランとして
実行した子はいないので
とりあえず、お粥屋はお粥屋でいいとすることに。

さらに前回注文を付けた
お粥屋さんの生活サイクルも今回しっかりと調べてあって
やはり昼夜逆転の生活になる事が解った。
朝食向けにお粥を販売するのだから
準備は夜中の1時からで
午前中の10時頃までが販売時間。
昼からは事前に準備できるものや買い出しに追われる。
思ったよりもハードな仕事で
これをやり出すとこれ以外は出来なくなりそうなことは
容易に想像できた。

ただ彼は
これと同時に農業もするというのである。
なので、ひとつ彼に宿題を出す。
お粥屋と農業を合わせて生業とする利点は
なんなのかを説明すること。
ただ単にくっつけただけなら
やらない方が良い。
疲れるだけだし、きっと体を壊すから。
でも利点があるなら、人を雇ってでもやるべきで
そうなると上手く儲けを出るような
それらの接点を見出さないといけない。

一か月で彼が何に気が付くか。
それは僕も解らない。
これまでもそうだけど
これからもこの手の指導はライブ感にまかせて
進んでいくことになるだろう。

しんどいけど、
ま、頭がフル回転するので
楽しいね。



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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

俳句もしております。「雪解」「街」「いつき組」に所属しております。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
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