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10月の出張の生計調査の一部を
記録しておこうか。

今回の出張では、
実習修了生たちの生計調査を
本格的に行った。
対象者は、ヘンドラ(第1期生2010年帰国)
タタン(第3期生2012年帰国)
クスワント(第4期生2013年帰国)
レンディ(第7期生2016年帰国)の4名。
他業務が多く、今回はこの人数のみ。
次回3月出張を予定しており、
残りのメンバーと、今回の対象者で聞き漏れがある場合の
追加調査を行う。

さて前回の本格的な調査は2014年。
少し時間が経ってしまったことは反省したい。
毎年インドネシアの実習生たちの地域へ
巡回は行っているものの
毎回、3日程度の滞在時間しかなく
ほとんど他の活動業務に追われ
実習生の詳しい生計調査はこれまで
おざなりだった。
しかし、昨今の技能実習制度の延長(技能実習3号)や
特定技能(特定技能1号、2号)による
外国人就労への門戸が開かれようとしている。
制度の目的は違えども
それらが日本の就労人口の減少に対応していることは
誰の眼にも明らかだろう。
外国人にも就労機会や選択肢が増えるのは
良いことだが
長く居る方が良いというわけは、必ずしもない。
出稼ぎで遠く故郷を離れて暮らす人たちは
色んな意味で大変だ。
文化・言葉・慣習から生まれる事象認識の違いから
小さなトラブルを抱えたり
対人関係で悩んだり
つまるところ、僕らの日常の悩みと同じだが
その頻度が多くなりがちだったり
その悩みの深さが相対的に深かったりというのも
異国もしくは異郷で暮らすものの悩みだろうか。

また実習生には
在留許可の実習が前提であるので
実習先を変えることが、難しい。
監理団体による調整によってそれは制度上は可能ではあるが
なかなか現実的には難しい。
だので、実習生たちは実習先とのトラブル
もしくはその環境下での生活のトラブルがあった場合で
そのトラブルを解決できない場合は
帰国を選ぶか、失踪するかしか選択肢がないのが実情でもある。
借金をして日本に来ている場合が多く
帰国は選びにくく、失踪するケースが増加するという
仕組みなのだろうか。
そういう意味では特定技能の在留許可は
外国人は労働者になり、
自分で職場の選択が可能になる。
ある程度は失踪には対応しているのだろう。
ま、期間があったり、呼び寄せる親族(扶養家族)が
違法就労したり失踪することは
十分考えられるけどね。

でも、それらの議論だけじゃ、やっぱり何かが足りない。
どんな制度だろうが、人と人との係り合いなのだ。
帰っていく人たちがどんな風な生活をしていくのか
それに向けてどんな支援をしたら、その子たちは
またその子たちの地域は良くなっていくのか
その視点って要らないのだろうか?
そんなことまで面倒見きれんよって言えるのだろうか?
それともそれはただのお節介なのか?

僕の農園では
実習生で年間に蓄えられるのは、多くて60万円~70万円程度。
法律順守で、
残業代も1.25倍で払って、でそのくらいが
これまでの子たちからの聞き取りから得た預金額。
帰国までの3年で200万貯められたら良い方だろう。
他も農業であればそんなに違わないはずだ。
かりにあと2年延長(実習3号)しても、
預金額が100万~150万くらいが増える程度。

で、僕は思う。
200万くらいあれば、それを元手に
それぞれの地域でアグリビジネスを起こし、数年で
年間で50万円くらいのビジネスに成長できれば
長く日本で働く意味なんてなくなるんじゃないかって。
ここの実習3年で得た資金と技術と知識と視点で
帰国後数年でランディングできるという選択肢が
彼ら彼女らにあってもいいんじゃないかって。
その事例がある上で
日本が好きなら、
ビジネスの才能は無いと思うなら、
就労機会に恵まれないのなら、
日本に来て働くという選択肢もある。
が、いくら長く居ても
上記の「日本が好きだから」以外の理由だと
帰国後のシナリオはあまり変わらない気もするけどね。

だから僕は
生計調査をして
本当はどうだったのかを検証したいと思っている。
その上で、僕にできる次なる支援の在り方を
さぐっていきたい。
「帰国して故郷に錦を飾る」ということが
外国人労働者のひとつの選択肢として
存在させるために。

生計調査の結果は
次回へつづく


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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

俳句もしております。「雪解」「街」「いつき組」に所属しております。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
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