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技能実習制度が、変わろうとしている。
実習2号を取得した実習修了生たちが
今国会で議論されている5年への就労制度に
参加することが可能な議論が進められている。
期限付きではあるが
就労というこれまでの実習制度とは根幹から
違う制度に生まれ変わろうとしている。

さて
本日
技能実習制度の実習責任者講習を受けた。
9時から18時20分まで6講座の座学をみっちりと受け
さらに最後にはテストまであるという講習。
2017年から法律で講習が義務付けられ、
すべての受け入れ企業の実習責任者は
3年以内にこの講習を受けなければならなくなった。
しかも3年ごとに1回の割合で、これからも受けないといけないらしい。

で、受けた感想だが
大抵の事はすでに手続きしている上で
知っている事ばかりだった。
が、いくつかの点で勉強になったことと
JITCOを含めて技能実習生を受け入れている企業が
どんな空気感を持っているのかを
講習を通じて垣間見ることができた。

自分でも意外だったことに
技能実習制度の目的がある。
大前提が実習なので
技能習得がその最大の目的かと思いきや
それにはもう一つ重要なことがあった。
それは、習得した技能を母国で移転に務める事、だそうだ。
僕らから技能実習生の彼ら彼女らへの
技術移転だけでなく
実習修了生から母国の住民たちへの移転もまた
その目的に入っていたというから
いまさらながら驚きだった。

そういう制度設計になってないじゃんって突っ込むのは簡単だが、
では逆に技術移転が母国でも広がっていくには
どうしたらいいのかを考えてみたら良いだろう。
自分たちの日常業務の技術をOJTという
都合の良い言葉の学習プログラムに乗せ
それで移転したとする考えでは
やはり母国での技術移転は実現しようもない。

しかも
普通は技能実習生を受け入れる団体や個人は
海外での技術移転へのモティベーションで
外国人を受け入れているケースはほとんどないんじゃないかな。
というか、そんなところがあるのなら
ぜひ知りたいね。
大抵は
人手不足や安い労働者が魅力で
受け入れているだけに過ぎない。

事実
今回の講習会でも冒頭で
JITCOの富山所長が
「これまで実習生は、日本というだけでたくさん良い人材が来てくれましたが、今では他の外国の方が魅力的になっていて、そこそこの人材しか集まらなくなっています」
なんて言っていた。
これはインドネシアでも聞いた話と同じだ。
その所長の話ではベトナムでは
日本よりも台湾の方が人気があるのだとか。
本当に良い人材は近隣の国と競争で取られ
日本に来るのは、そのレベルに達していない人材になりつつあるという。

それでも
若者の多くが、
今外国人に頼っている業種で働きたいと
思わなくなっているのだから
今後も外国人への依存度は高まっていくんだろう。

講習会の会場は150人ほどはいっていたであろうか。
それが皆、各事業所や工場の実習責任者で
しかもこの講習会は、昨年から福井での開催は3回目なのに
募集から参加が殺到し、今回でも講習会には入れなかった
事業所も多いらしい。
統計的に実習生の人数の推移は見てきたけど
実際にこうして集まってみると有名な会社や大手から
ちいさな個人経営の工場まで
やはりもう外国人無しでは、どの会社も立ち行かないという
空気を強く感じた。

講習会の最後に
技能実習制度の今後と今後の新制度について
すこし説明があった。
国会審議中ということもあり
情報は新聞報道程度だったが
所長が強調していたのは、
新制度で就労許可を得た外国人は
業種はある程度固定されるが
自分で会社を変える権利があることが大きいと言っていた。
技能実習制度の最大の魅力は
実習生は実習に来ているわけなので
自らの意志だけで会社を変えることができないこと
と所長から言われて僕もはっとした。
期間は定められているが離職しないことが
経営者側には大きな魅力になっている、ということを知った。
新制度では、労働者として受け入れるので
決められた業種の中でも外国人労働者が
職場を自ら決めることもできるのだろう。
その上で
JITCOは
職場環境をよくし、外国人だけで孤立しないように
地域住民ともトラブルを起こさないように
と話していた。
それが離職を防ぐ、外国人と共生していくことの重要ポイントだとしていた。

受け入れ国の理解をしようという姿勢もなく
人手不足で雇い入れている方々は
そういう程度の覚悟で
国際交流をしていくってわけか。
そりゃ、問題も噴出するはずだ。

以前に、JITCOの現場視察があった時
その職員の方がこんなことを言っていた。
「技能実習制度は本音と建て前って言われますが、僕はそう思いません。理想と現実が違うだけなんです。」と。
制度は海外での技術移転まで目指しているのに
そこに入ってくる人たち(労働者も経営者も)はそんなことは全く考えていない。
で、そこに入っている人たちの現実が
正当化されて政策化されているのが現実なんだろう。
それはそれでいいのだが
だとしたら、実習っていったいなんだろう。
インドネシアでも
Magangという実習という名でよばれるこの制度。
でも誰もこれを実習だと思っていない。
みんな出稼ぎだって言っている。
そんな文脈での実習責任者講習だった。

ちなみにテストは95点で合格。
3年後この制度がまだ続いているようなら
また受けることになるだろうな。
せめて僕らだけでも
実習をして、卒業生が地域リーダーとしてけん引していく
そういう事例を作っていきたい。




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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

俳句もしております。「雪解」「街」「いつき組」に所属しております。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

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