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1年生のアンギ。
6月ごろに国に帰りたいと言っていた彼。
なんとか持ち直して、
今回、初めて期末試験に臨んだ。
2018年前期最終試験。
課題はいたってシンプル。
地元のポテンシャルを分析して
その結果から、自分が出来るビジネスを創生せよ、
というもの。

2018年前期は、これまでと同じように
農業構造論と地域発展論の2科目を開講しており
それらを理解していれば
わくわくするような課題だといえるだろうね。

で、アンギの場合。
彼の故郷であるタンジュンサリ郡は
なんといっても羊肉の産地。
羊の飼育もさることながら、
羊肉流通の中心となる大きな羊肉市場がある。
このポテンシャルは見逃せない、とばかりに
プレゼンの中のポテンシャルの中心だった。
そしてもう一つ。
チレンブさつまいもがある。
安納イモとよく似た系統のサツマイモで
なにせ甘い!そして香りがいい!
しかも西ジャワ州では、かなり有名なサツマイモ。
彼はこれら農産物を中心に
プレゼンテーションを行ってくれた。

ひとつ驚きだったのが
彼のセンス。
プレゼンシートの構成やデザインが上手い。
これまで見てきた中でも
群を抜いて美的センスも含めて
上手い!
こういうデザイン系の仕事がいいんじゃないのか?と
思うほど。
農業じゃなくて、この美意識の方を伸ばした方が
もっといい仕事になるような気がすると
ちょっとした発見もあった。

さて、
彼のプレゼンは、
まぁ、簡潔ではあったが
分析段階が雑で
あれこれごちゃごちゃと混ぜたあげく、
観光農業ビジネスといったところに着地していく。
もともとタンジュンサリ郡には
農業体験施設があり、その人気が落ち目になっている中で
それをもう一度盛り上げていきつつ
自分もそれに係わる
農業加工ビジネスを起こしていきたいというのが
彼のプラン。

悪くはないけど、
アンギさん、それって結論ありきで
分析はその理由になってないかい?
フラットな思考で鋭い分析を行い
現状を肯定するのではなく、批判的に見て、
そこにある事実を拾い集めていく。
その作業の中に
君の能力と地域のポテンシャルの接点が
あるのかないのかを
探すのがこの課題の主題だ。
君の場合は
観光ビジネスと加工業を繋げたという意味では
面白いけど
それだけでは観光地が再び発展する事もなかろう。
B級グルメのようなものがインドネシアでは
どういう風に評価されるのかはわからんけど
それくらいのアイディアはないとなぁ。
羊肉のソーセージやBBQだけじゃぁ、やっぱりむずかしいんじゃない?

農業観光ビジネスの勃興により
他の観光地との競争に負けた落ち目の地元観光施設に
県のお偉さんでもない君が
どうやってもりあげる種を生み出せるのかは、
やや僕らの手に余る途方もない事で
それを主軸にプレゼンをされても
やはり途中から空想のようになってしまう。

観光業というイメージから入ったのだろう。
それすらも学問を通じて批判的に徹底的に
叩いて見なければいけない。
叩いて叩いて叩いて叩いて
その中に崩れないものが見つかるはずだ。
そこからスタートをすれば
斜陽産業でも
未来はあるんだよ。たぶんね。

可能性は無限大かもしれないけど
背負えるリスクは無限じゃないよ。
あと人生の時間も。

ま、プレゼンのセンスは良かった。
それが大収穫だね。



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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

俳句もしております。「雪解」「街」「いつき組」に所属しております。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
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