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アンギが、今朝急に
「帰りたい」と言いだした。
突然のことで、
頭が真っ白。

その後2時間二人で話し、
3年生のデデを入れて
1時間話をした。
それでも理由はよく解らず。
アンギは泣くばかりで
話が前に進まない。

ここまでなるのに
きっとたくさん悩んだんだろう。
僕はなんてノー天気に毎日過ごしてきたんだろうか。
過去の自分を恨んだ。

気持ちが少し落ち着いたアンギに
「帰るのは最後の最後の選択肢だよ。帰れば、自分の自信も、周りの眼も、関係性も、失うほど危ない。でもね、もし君が病気になってしまうのであれば、帰った方が良い。ただ、そうならないために、僕らはいろんなメニューを探そう。何に問題があったのか。どうだったら君は楽しく過ごせるのか、そのメニューを」
と話をした。
精神的に追いつめられれば
どんな言葉も素通りしていく。
それは僕はインドネシアで体験済みだ。
ただ僕はちょっと厳しかったのかもと
反省しきりだった。

彼のレポートは及第点だった。
たぶん22歳とすれば十分すぎるくらい。
僕はいろんなことに焦っていたのだろう。
雪害のハウスや
実際の建て直し資金や
そのことで疲れさせてしまっている社員や
どこか不安感のある社内の空気や
あと家族ともあんまりうまくいっていないことや。
そんなことを抱えながら
僕はいっぱいいっぱいになる毎日の中に居た。

で、期待していた2月に帰国したイマンの
全くと言って良いほどダメなプレゼンを目にした5月は
最悪だった。
あれほど仕込んだのに。
彼ならもっと賢く状況を判断できるはずなのに。
だのに、目の前のあまりに凄惨な現実に
彼は上手く対処できないその姿を露呈した
プレゼンを
僕らインドネシアと日本とのネット勉強会の場で
してしまった。
なぜ僕は彼の帰国直後の大事な時期にケアできなかったのだろう。
その後悔ばかりを
引きずりながら
新しく来た子を
より厳しく指導していた。

アンギは
「Bapak(僕の事)から批判されたからじゃないです。でも、夜になると涙が止まりません。頭痛もひどく、もう帰りたいです」
と繰り返した。
ひどい喪失感と劣等感に
包まっている22歳は、見るに堪えなかった。
インドネシアから来た子たちは
どこか人生を達観したような感のある子が多い。
日本の22歳のように、ぬるま湯で過ごしていないからなのだろう。
その見た目というか
そういうものに僕も甘えていたんだろうと思う。
イマンのように
失敗というか、もっともっと強く強くと思って
指導に熱も入ったのは正直なところだ。
夕方アンギからメッセージがあり
少しは落ち着いた様子で
とにかく、ほっとした。

そのイマンとも
最近やり取りをしている。
彼の帰国後の現実に
少々彼はビビっていたようだし
この前の勉強会で、主催の4期生クスワントから
かなりけちょんけちょんにやられていたが
そのアドバイス?に持ち前の反骨精神を出して
いろいろと対処を始めたらしい。
一歩を踏み出したのは、本当に素晴らしい。

こういうことを繰り返していて
僕はつくづくおバカだと思う。
で、その一方で
こういう子たちを「外国人技能実習生」という
言葉で括っていることにも
つよい怒りと違和を感じる。

どういう制度にしようとかまわない。
人を連れてくるんだ。
だから、もっと責任を持つべきだ。
来る子たちは10代後半や20代前半の若者ばかりだ。
その若者を
僕らはどう対面して
どう真剣に向き合うかだ。
制度の問題もあるんだろうけど、
その制度の議論には血も肉も息遣いも感じられない!
壊れてしまいそうな
社会人のスタートを切ったばかりの
彼らに
僕は何ができるか。
それが何もなければ・・・
僕は何もないのかもしれないけど・・・
何か真剣に彼らと向き合えないのであれば、
もうこんな制度で
人間を簡単に連れてくるようなことは
止めたほうがいい。

アンギから
「帰りたい」と言われ
猛反省中な自分への訓戒としてエントリーを残す。


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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

俳句もしております。「雪解」「街」「いつき組」に所属しております。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
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