久しぶりの更新。
俳句にのめりすぎて、ブログに行きつかない。
こうしている今も、頭の半分以上を
明日締め切りのNHK俳句の兼題「蜥蜴」「蛍」の
句を練っていたりもする。
というのは置いておいて、
ブログの本題に入ろう。

先週の金曜日の夜は
とてもエキサイティングだった。
アンビシ勉強会があったからなのだが、
発表がとても良かった。
林君の発表で
環境制御によるトマト栽培の解説で
光合成効率をあげて増収するというもの。
本のデータを細部にわたって検討しており、
さらに福井や身近な環境のデータを補足してくれたので
本を読んでいない人にも十分考察に
ついていけるだけのプレゼンだった。
これまで聞いてきた中でも
トップ3に入るくらい、良い発表だったと思う。
さすがは林君だね。
他のメンバーもこのくらい自分に本を引き付けて
発表してくれると楽しいな。
というかまずは自分がそれをしないとな。

さて、環境制御とはどんな技術か。
一言でいえばオランダ型施設園芸。
徹底した環境をコントロールすることで
夢のような収量を上げることができるってやつ。
植物のもつポテンシャルを最大に引き出す技術で、
この場合は特に光合成に着目し
そこを画期的に引き延ばしている。
トマトの収量の比較では、
日本のトマト栽培で約20~30トン/10a/年ほどで、
福井の産地である東安居では、
9~10トン/10a/年。
同地区でたくさん取る人で15トンほど。
北陸は日照量が少ないし、冬季の栽培が難しいので
通年でとれない分収量は減るね。
それがオランダだと
70トン/10a/年だというから驚きだ。
もはや同じ植物の「トマト」じゃないんじゃないかって
思ってしまうほどの収量の差がある。
理論上はトマトのMAXの収量は
120トンまで行けるらしい。
オランダではすでに100トン取っているケースもあるのだとか。
植物の持つ最大の能力を見事に引き出していると言えよう。

では、その秘密の中身は何か?
それは光合成効率を最大まで引き上げるということ。
まず大事なのは二酸化炭素の施用だ。
CO2は光合成には欠かせない。
その濃度を上げれ、当然光合成効率は向上する。
しかしCO2は、光合成をおこなえば減り続けていく。
とくに温度管理をしている施設内は
外気と隔離されている場合には、
光合成が開始されることで、
施設内のこの濃度が著しく低下してしまう。
なのでCO2を常に施設内に施用することが大切になる。
ま、このエネルギーをどう確保するのか
その辺りが省エネを目指すべき社会には
大きな課題だろうけどね。

次に湿度。
温度よりも湿度が重要。
なぜか?
それは植物の気孔の開閉に大きくかかわるからである。
CO2は気孔より取り込まれる。
なので湿度が高すぎると気孔が閉まってしまうのだが
その場合、光合成は効率よく行われない。
ちょっと専門的だが
3~6g/㎥程度の飽差が最適とのこと。
その湿度を保つことで最適な光合成環境が整うらしい。

その次に温度と潅水と施肥。
我々農業者が一所懸命やっているのが
この3つなのだが、環境制御の中では
それらは3番目や4番目だったりする。

光1%増えると作物の収量も1%増える。
その考えで光の量にも気を配る。
これらすべてを最適な環境にすれば
トマト120トンも夢ではないらしい。
ちなみにオランダの日射量は
日本の太平洋地域よりも少ない。
林君の調べによると
福井でも冬場の日射量は
トマト収穫に必要な日射量は無いものの
オランダの冬季よりも多く
環境制御のシステムも利用できるのではないかと
締めくくってくれた。

量を取るということでいえば
このシステムに勝るものはないかもしれない。
光合成を最適にする理論で
果菜類などでは、これが無敵の栽培法なんだろう。
あとは僕らがつながっている市場がなんなのかってことかな。
量を必要としているのか
またその量によって市場の需要としている関係なのか、
その場合は、この方法がより最適だろう。
だが、
必ずしもそれだけが市場ではない。
情報と質が必要な市場であれば
このシステムが必ずしも最適ではないということも
議論をする中で明確になった。
1つの栽培法は
それを必要とする文脈では最強かもしれないが
やはり文脈が変わってくれば
それが特化して最強であればあるほど
他に転用の効かない無用な技術でもあることを
僕らは忘れてはならない。

林君の発表がとても素晴らしく
議論が深まったからこそ
見えてきた大切な結論だと思う。



関連記事
Comment
Trackback













管理者にだけ表示を許可する

Comment form

田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
taya.tアットマークnifty.com
です。
(アットマークを@に置き換えて送信ください)

プロフィール
07 ≪│2017/08│≫ 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
カレンダー(月別)
カテゴリ
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

メールフォーム

Page Top

Powered by FC2 Blog |

FC2Ad

| Template Design by スタンダード・デザインラボ