気がつけば師走。
なのに、ブログは全く更新されず。
こんなこと今まであったかいな。

さて気を取り直して、記録しようか。
12月はビッグイベントがあった。
インドネシア在大阪領事館の
総領事御一行様が中旬ごろ
農園を訪問してくれたのだ。
国際交流協会のインドネシアセミナーに先立って
来福した御一行様の
見学先として農園が選ばれたためだった。
もともと技能実習生の現場を見たいというのが
あちらの意図であり
その優良事例として紹介されていたようだ。
で、翌日のインドネシアセミナーでも
総領事のインドネシア投資の話と
インドネシア進出をしている企業の社長の間に挟まって
僕も技能実習制度について話をしてきたってわけだ。
ま、なんとも場違いな感ではあったけど。

なぜ場違いだったかというと、
総領事は投資を呼び込むためのプレゼンで、
また進出している企業は、
インドネシア進出の難しさをある意味国民性に
置き換えて面白おかしく話していたからだ。
たぶん僕の役回りとしては
「技能実習生を活用して中小の地場産業を盛り上げています」と
いった感じだったのだろう。
そうすれば、
全体としては違和感はなかったのかな、とも思う。

ただ、僕の主張は
それとは違っていた。
技能実習生を受け入れる時に
実習生の帰国後の事まで視野に入れて、
いやそれどころか
インドネシアのその受け入れ地域のソリューションに
なるような実習にしていますか?
というのが
僕の主張だった。

企業の社会貢献はもはや当たり前。
このいびつな資本主義の少しましな未来形として
ソーシャルビジネスが喧伝され
お金の使い方も自分の欲求を満たすだけためではなく、
何かこの社会(想像の共同体)に対して支援するといった
意味合いで使われることも多くなった。
クラウドファンディングやふるさと納税&ふるさと投資なんかも
そんなシステムの仲間なんだろう。
そして時代のもう一つのベクトルが
グローバリゼーション。
負のイメージも多いが
この現象が僕らを地球市民に昇華させる時が来るかもしれない。
もちろん、それぞれのエリアの共同体を引きずりながらだけど。
で、僕らの問題である人口減少。
もっと真剣に取り組んだ方が良いと思うのだけど
どこか牧歌的に
移民も議論せず、EPAなどで介護士と看護師に
一部を開放しつつ、その先にあったのは日本人化して
僕らと一緒に少子化の問題にぶち当たる姿だったのに
政府の対応は、もはや絶望的に鈍く、
技能実習制度の延長や
その焼き増し的な外国人労働特区に終始する有様。
その特区も年数が制限されていて意味がないのは余談。

こういう文脈だからこそ
僕らは、グローバルに受け入れている
その社会にも想像された共同体を一緒に作り上げる日が
くるんじゃないかって僕は呑気に思っている。
そしてそのための行動として
受け入れている実習生の地域の問題解決も
僕らの取り組みやビジネスが真っ当な姿であればこそ
なにか与えられるインパクト、
もしくはそれを創り上げられるようマネジメント
出来るのではないかと、これまた呑気に思っている。
だから、「数年でどうせ帰るどこか知らない地域の人たち」の
カッコ付きの言葉にしてしまって、
受け入れる実習生を使い捨ての人材にしてはいけない。
このグローバルな世界に僕らはお互いに共同体を築き上げられる
主体なのだよ!というのが僕の主張だ。

はっきり言って僕らの凸凹の世の中は
技能実習生も投資も進出も
どれも南北問題に乗っかっている。
ピケティよろしく
投資側の金持ちが特権階級化し
その維持にこれらのシステムが利用されている。
援助ってなんだったっけ?と
自分の学問と信念と経験からそれらを思い出すのに
少し時間がかかるくらい
最近は、資本の増大がそれほど正当化されてしまっていて、
僕らが勉強したような学問の影響力は薄くなってしまっている。
ような気がする。
さらに、この南北問題は
当然、国家間だけではなく国内での格差も
目に余るようになってきている。
日本国内もそうだし、
それ以上にインドネシアではひどいものになっている。

今回の訪問とセミナーで
僕の主張を伝える時間と場を得たことは
素晴らしい成果だったと思う。
プレゼンは、自分ではやや不発だった。
その言い訳をするとすれば
同時通訳の方が僕のプレゼンを総領事の耳元で
訳していたのだが、
その訳が僕の耳まで届き、
あああ、この単語はそんな風に訳すのね、と
インドネシア語のテクニックが気になってしまったのが
敗因だと思っている。
乗りに乗ってくると、思ってもいないような
そんなプレゼンになるのだが
今回は乗れなかった。とほほ。
さて、そのプレゼンの出来がどうだろうが
多分、今回はこれまで書いてきた文脈の中で
やはりメッセージが伝わらなかったのではないかと思っている。
総領事たちインドネシアのエリートにとって
地方の農民たちのソリューションがどうなっていようが
たぶんそれほど関心があるとは思えないし
実際に農園やセミナー、そしてその後の懇親会で
僕の話した内容に刺さった言葉があれば
あんな社交辞令的に終わるわけはないだろう。

進出をした方の話は
やはりそれは経済格差の中での儲け話なので
僕の話とは水と油。
インドネシアへの投資や進出を促すセミナーに
僕が登壇すること自体、
やっぱり無理があったのだろうな。
そんな場でも、空気を読まず、
カラオケのマイク独占のごと
しゃべくりまくったのもダメだったんだろう。
でも、
とりあえず、僕の主張は伝えた。
福井の田舎で
このアジェンダはどこまで響くのだろうか。
と、やたらと疲れた二日間だった。

でも、またこういう機会があれば
またこの主張を展開したいね。

そういえば今年は中央会や
農協の役員と語る会でも
同じ話をしたような気がする。
あんまり刺さらないな。なんでかな。



関連記事
Comment
Trackback













管理者にだけ表示を許可する

Comment form

田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
taya.tアットマークnifty.com
です。
(アットマークを@に置き換えて送信ください)

プロフィール
06 ≪│2017/07│≫ 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
カレンダー(月別)
カテゴリ
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

メールフォーム

Page Top

Powered by FC2 Blog |

FC2Ad

| Template Design by スタンダード・デザインラボ