週末は句会だった。
前回が0点で、気分が盛り返すまでに
2週間はかかったこともあり、
慎重に句を選んで臨んだ。
句もこれまで以上に作り
たぶん200近くは作った。
その中から5句選び投句したのだが、
基本的にはダメ句が多く
やはり投句用の句を選ぶのは
かなり頭の痛い作業だった。
どうも言葉が固いというか、
熟語ばかりになるというか、
柔らかく嫋やかな、
そして情緒あふれる言葉遣いが出来ない僕は、
かなり悪戦苦闘しているというのが
現状だろう。

さてそんな中、
投句した句の一つは
僕が尊敬する句会のメンバーである
木内さんに特選に取っていただいた。

畑脇に詰まれし肥やし秋暑し

先生からは、「畑脇」ではなく「畑隅」の方が良い、
と指導され、
「詰まれし」は「積まれし」の間違いですね、
とも指摘された。
確かにその方が分かりやすいのだけど、
堆肥場にどんどん業者が詰め込んでいく堆肥が
その熱さと秋の暑さとこれから始まる秋作への
想いとをかけたので
情景的に「詰める」を使ってみたけど、
先生としては
17音しかないのでみんなが分かる表現で、
とのことだった。
見た目をそのままというわけでもないのが
俳句の写実なんだろう。

他の方2名の入選だったのは

穂肥ふる農夫は無口秋隣

という句。
これも先生の直しが入り、
「無口」を「語らず」にしたほうがいいとのこと。
熟語で表現するのではなく
柔らかい表現を選ぶ方がいいようだ。
また穂肥は「ふる」という表現はどうか、
とも話になった。
やる・まく、ではないかというメンバーの意見だったが
日常的に僕らの農業の現場では
「ふる」を使う。
だがこれも他の人にも分かってもらえるのが大事ということで
ふるの表現も直しが必要だろう、とのことだった。
テクニカルタームの使いどころが難しい。
現場感を出そうと思えば、
わざとテクニカルタームで行きたいところだが
理解されないのではダメ句になる。
専門用語が情緒を醸し出すこともあるので
バランスが重要ということだろう。
規定されないし
個人の感覚に左右されるので
センスが問われるね。

メンバーの方には取ってもらえなかったが
先生からはこれは良い句だと褒めてもらったのが

虫除けをふりかけて行く墓詣で

という句。
メンバーからは墓詣でと虫除けで
季重なりではないかという指摘もあったが、
先生はこの場合は季重なりにならないとのこと。
その判断も
自分ではまだよくわからない。

さて、今回の句会では
「晩緑」という言葉を使った句が登場した。

晩緑の古刹はひがな風涼し

新緑・万緑は季語として成り立っているが、
晩緑はまだ歳時記には載っていない。
横落の前の緑のもっとも終わりの頃を意味するらしく
先生曰く
もうすぐ季語になる言葉、とのこと。
なので、この句は
季重なりと指摘をされていた。
万緑がかつて

万緑の中や吾子の歯生え初むる 中村草田男

という句が生まれ
季語として確固たる地位を得たのだが、
晩緑もまたそのような名句が生まれることで
季語として定着するのだろうか。
黄化する前の緑に
僕らはどんな想いを載せて詠めばいいのか
僕にはまだわからないけど、
いつかはこの言葉で
俳句を読んでみたいな。

今回の句会では
色の感覚も勉強になった。

神の山蒼きを遠に早稲を刈る

という句があったが、
先生は
「蒼き遠に」はだめ、「縹に遠し」だ
と直されていた。
蒼いんじゃなくて、縹色だという。
なるほどね。
色の名前とその用途もぴたりと合わないと
いけないのね。
17音だけの文学は
相当に厳しい。

今回の句会で
僕が特選に選んだ句はこれ。

秋燕過る一等三角点

山頂にある一等三角点を
つばめが過ぎて、南へ帰っていく。
壮大な旅程を一等三角点で表現し
空の高さもその言葉だけで表現していて
もう読んだ瞬間に、これだ!と思った句。
本当に素晴らしい。
平易な言葉で
壮大な空間を表現する。
僕もそうでありたい。
ちなみにこの句はメンバーの奥村さんの句だけど
これで僕は3か月連続で
奥村さんの句を特選として取っている。
奥村さんの作る句の繊細さというか
感覚が僕を強く揺さぶる。
奥村さんが句集を出したら
絶対買おう。

8月はこんな句会だった。
今回は落ち込まず
とても楽しい句会で良かった。
うふふ。



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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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