月一回の楽しみ、
それは順化句会。
もうこれが最近の最大の
楽しみといっても過言じゃない。
句会が終わると
次の句会に向けて
毎日少しずつ俳句作りをしていて、
ひと月分の作句の中から
自選してこの句会に持っていく。
そして句会で
1人でも自分の句を取ってくれる方が居れば
ちょっとズレたイメージと
それぞれの勝手な想いの中で
つながるという面白い現象を体験できる。
異文化の中で
生活世界が全く違う人たちと
言葉もままならないのに
どこかでつながる瞬間がある。
そんなものが好きだった人には
句会は、絶対おすすめ。
それがその場にはふんだんにあるから。

さて長い前置きになったが
6月の句会について記録しようか。
前回の失敗から
今回の課題は選句をしっかりとしよう、だった。
100句近い俳句の中から自分の選で5句選び
1句を特選とするのだが、
この選び方をできるだけ
みんなが良い句だという句を
選び出したい。
もちろん、それぞれの感性や
それぞれの持つ詩想によって
選ばれる句に違いはあっても構わない。
でも、自分が取った句が
俳句としての表現がいまいちだったり
または素晴らしい句なのに
文語の言い回しや古語の単語、
漢字が理解できず選びきれなかったり、と
自分の実力不足からくる
その俳句を深くまで読み込めないことが多い。
知識と経験不足からくる問題なので
すぐに選句のレベルが上がるわけじゃないけど
そこを意識して句会に臨んだ。

さて今回も19人が5句ずつ投句したので
100句近く集まっての句会だった。
これを1時間程度で書き写せるだけ写して選ぶので
かなりハードな時間となる。
90代の方もこの作業をこなすのだから
大したもんだね。
俳句やっている人はボケないわけだ。

さて、今回僕の選は以下の通り。

直線に直線にはねあめんぼう
ジャム少し緩く仕上がる梅雨の月
鹿毛栗毛厩舎を抜くる青田風
山女釣岩から岩へ影消して
屑金魚隅に置けない面構へ 特選

「直線に直線に」と続くリフレインがきれい。
ジャムが少し緩く仕上がるのと梅雨のイメージが
良く合っていて美しい。
鹿毛栗毛と青の3色のコントラストが
風景を際立たせる。きれいだなぁ。
山女は人の影が見えると釣れないから
それを隠しながら移動していくさまが
躍動的で良いね~。
そして特選句。
屑だと振り分けられたとしても
その中にだって「おっ!」と思うやつもいる。
凡夫な自分もそうありたいと思っているので
この屑金魚にシンパシィを感じ、特選句に。

今回の選句は、先生の特選句や入選句と
すべて重なっていて、
自分としてはまずまずの成績だった。
ただそれでも読めない漢字や
意味の解らない単語がおおくて
深く理解できない句もたくさんあった。
何事も勉強だね。

さて投句ではどうだったか。
今回の投句は次の5句。

誘われる口実となれ夕立よ
鴉めに雛奪われて五月果つ
薄暑光絵馬の願いは淡くなり
星雲は地上に降りて花菖蒲
自転車に乗れた雄叫び青田風

鴉の句以外は、それぞれ皆さんに
そして先生に取っていただいた。
夕立の句はメンバーの方の特選に取っていただいたし、
花菖蒲はメンバーの入選に入り、
薄暑光は先生の入選、
そして自転車の句は先生の特選に輝いた!
これで先生特選は2回目で、
100句近くある中からのことなので
とても栄誉のあることだと思う。
ちなみに最初の原句は

自転車に乗れた雄叫び青田波

だったのだけど、これを句会に一緒に参加している
すーちゃんが
「青田風はどうでしょうか?」というので
それを当てはめてみると
まぁ、これがかなりしっくりくる句となり
手直しをして当日投句したというわけ。
自分の俳句を自分で直すのって
その時の情景や心情が強すぎて
なかなかさわれないのだけど
こうやって直されてみると
この方が良いよなって思うことも多々ある。
手直しがあったからこその特選だね。
先生も
「雄叫びという表現と青田風が活きているね」
という講評だったので
これはすーちゃんに感謝だな。

夕立の句は
メンバーの特選になったのだけど、
「これは俳句かどうかは解らないですけど」という
コメントをしつつの特選だったので
なんだかもろ手を揚げては喜べなかった。
俳句っていうカテゴリというか
その周りを固める壁が
僕はまだまだ良く見えない。
夕立の句だって俳句だと思うんだけどなぁ。

あとちょっと残念だったのは
星雲の句。
これはかなり自分ではいい出来だと思っていたのだけど
メンバーの一人の方の入選のみで
先生の講評にも引っかからない句だった。
大きいことを言いすぎたかな、とも思うけど
こういう風に美しく詠みたいという想いもあるので
これがどうダメなんだか、ちょっと解らなかった。

さて、一緒に参加したすーちゃんの句で
先生の入選をもらった句も
ここに記録しようか。

父の日や悩み悩みて大吟醸
水色のシャツ水玉に喜雨の中

父の日の句は、メンバーの方の特選にもなっていて
先生の入選も入っていて素晴らしい!
悩み悩みて、という表現を直せないか、と
先生から注文もあった。
喜雨の句は、水色と水玉が重なっているので
雫に直して、〇をもらっていた。
俳句がなかなか作れないと言っていたけど
出せば結構好評価されるので、
23歳にしては、これはとても素晴らしいと思う。

俳句の量も
議論の質も
どちらも十分に刺激的で
脳みその芯が熱くなる、そんな句会だった。
生活世界の微妙なズレを
俳句というインターフェイスを通じて
楽しむ文学。
視点が面白ければ
主題が美しければ
込めた感性が豊かであれば
その分だけその句に深度が生まれ、
味わいのその様が多様になる
それぞれの中でイメージと価値が再構築される過程が
俳句の最もの楽しみなんだと思う。
こんなゲーム性の高い
文学は、僕は他に知らない。
もっと俳句にどっぷりと浸かりたい。
そんな気持ちになった
6月の順化句会だった。



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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
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