今学期の最終テストを行った。
というのもインドネシア農業研修の話。
今学期は2つの授業があった。
「グローバリゼーションと農業」
「総合防除IPM」
の2つだったのだけど、
総合防除は最後まで行きつけず
テストはグローバリゼーションと農業のみとなった。
いろんな団体の役があって
会議や出張が多すぎたね。
とほほ。

さてその最終テストだが
お題はいたって簡単。
自分の地域で、グローバルな問題を取り上げ
それを分析し解決策を考えるというもの。
単純なだけに
1年生、2年生、3年生とその出来に
面白いほど差が出た。

まず1年生のイマン。
彼が取り上げたトピックは
彼の地域での巨大ダム建設。
その内容深くはここでは記述を割愛するが
彼の場合
情報は良く集めてきたと思うけど
それらの情報がお互いに矛盾を生み出していて
ロジックとして一本になっていなかった。
CO2が少ないはずのダム発電に対し、
水没した地域の有機物が出すCO2の総体が
温暖化につながるという話は、
地表でのサイクルの中でのCO2の総量に
変化が生まれないものなので
それをグローバルな問題として
フォーカス当てるのは如何なものか、と
ちょっと疑問が多い発表だった。
水没した地域の人たちの混乱や
生活の苦労は問題だと思うが
9万haの水利を得るために
3000haの農地が失われる点では
その損失にフォーカス当てるイマンの発表は
やや異質に映った。
情報の海でおぼれてしまったイマンは
及第点がもらえなかった。
ま、1年生だし、そんなもんか。

2年生のレンディは、
地元の地熱発電だった。
一所懸命調べたのは分かったが、
彼の前提は、
地熱発電所が地震を助長している、
という地元の都市伝説を信じ切っていて
それを裏付けるトンデモデータを
ネットで一所懸命調べて発表してしまっていた。
最終的には
地熱発電所はCO2をたくさん排出するから
地球温暖化につながっているという結論で
もう何もかも納得できないプレゼンだった。
科学って何なのか、そこから彼は勉強し直しだ。
ギター触っている暇があったら
もっと本を読んでほしい・・・。
もう残り1年しかないっていうのが
頭が痛いところだけど
今はこの発表をしっかり記録して
3年の最後にしてくれるであろう
素晴らしいプレゼンを、
つまりは彼の成長を楽しみたいね。
もちろん落第。

で、このままじゃ僕の心は穏やかじゃなかったけど
それを救ってくれたのは3年生のジャジャンだった。
彼のチョイスは中国とアセアンとの
域内自由貿易のACFTA。
中国からの農産物がなぜ安いのかを
構造的に説明することを試み
(その試み自体は、まぁ、成功とはいえないかな)
そのグローバルな要因と
では地元で何ができるのかの分析は
その深さというよりも
それらの手法が
授業で僕が最も伝えたいことを
踏襲してのプレゼンだった。
最終的には農協のような組織の立ち上げと
サプライチェーンを如何に短くするのか
といった議論に収斂され
3年生らしい
最後のプレゼンだった。
農業構造論で
事象を構造的に分析する方法を教え、
グローバリゼーションと農業では
グローバルの考えて
ローカルに行動するその視点を
身につけてほしいと願って
やって来たのだが、
そのどちらも
まだまだ粗削りだけど
しっかりとジャジャンには伝わっていた。
「もう研修を辞めて帰国したい」と
1年生の時にもめたジャジャンが
ここまでしっかりと成長してくれるのが
とてもうれしかった。
こういう瞬間を見せつけられるから
とてもストレスフルな研修で
いつももう辞めた!って投げ出したくなるんだけど、
やめられないんだな。

人が育つって
本当に面白い。
これにはまるとやめられなくなるね。




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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
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