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昨年の初夏。
僕は俳句を始めた。
といっても季語が無かったり。
季語が二つはいる「季重なり」だったり。
5・7・5の3行句だったり。
17音にも収まらない始末。
奥行きも面白味も何も感じられなかった。
ツイッターでつぶやいても
反応もないし、気の利いた句は当然詠めないし。
始めたけど
ちょっと脇にやっていた俳句。
でも、ここに来て
またその熱が一気に加速している。

加速の理由は二つ。

1つは長谷川櫂さんの本。
奥の細道の解説が素晴らしく、
実は芭蕉は伊賀の忍者で
奥の細道は隠密の旅だった、
なんて程度にしか考えていなかった自分を恥じた。
「不易流行」と「かるみ」の芭蕉ワールド。
ああ!俳句は宇宙だ!
と思ったのもこの辺りから。

もう一つは、新人スタッフのすーちゃん。
彼女はツボにはまると、
とにかく突破力がある。
そのツボに
若干のムラがあるのが若さだけどね。
で、そのツボにはまったらしく
なぜだか彼女も俳句をやると言い出した。
で、新しく農園に入ってきた江川君と
3人で句会をすることになった。
なので最近は必死に句を練り上げている。
というわけだ。

今回記録しようと思うのは
その句会の事。
句会の名前は、「さぼてん句会」。
名前の由来はまた別のエントリーで書こうか。
とにかくその句会を始めた。
俳句は一人でやっても
ぜんぜん面白くないけど
句会はライブ感覚でとても楽しいと知ったから
これはやらない手はない。
句会は大きく分けたら3つの流れになる。
投句・選句・披講だろうね。
投句は、メンバーそれぞれが作者を不明にして
俳句をいくつか提出する。
大抵お題があって
今回の句会では、「炬燵」がお題。
一句はこの季語で読んで提出する。
選句は、その句をシャッフルして
いくつかの組にわけ、
メンバーそれぞれが良いなと思う句を
1つの組から1つ選ぶ。
披講ではそれぞれが選んだ句を発表。
この時に選ばれた句の作者は
初めて名乗る。
この句の解釈を話したりもするのが
この段ってわけだ。
先生が居れば選評というのがあって
それぞれの句に講評を付けてもらう。
メンバーのだれからも選ばれない句でも
先生の特選が取れたりもするらしいので
この選評はドキドキだね。
たださぼてん句会には、まだ先生が居ないので
とりあえず選評はなし。

句会の妙は、
自分の想いを17音に託して詠み、
それをメンバーそれぞれが自由な解釈をして
その句を読み砕いていき選ぶ中で
つながったというか
情景や想いが届いたというか
さらには自分が思ってもみなかった
さらに深く読み込んで解釈してる場合もあって
ダイナミックなやり取りにある。
詠み手の想いも場合によっては越えて
それぞれの解釈の間を自由に行き来する。
それが俳句。
言葉の宇宙で、想いがつながった瞬間は
とてもキラキラする。
言葉が少なく窮屈だからこそ
そこにある言葉に想いを投影し託す。
それがつながるからキラキラする。
そんな素敵な文学が俳句。

今回のさぼてん句会で
僕が良いな、って思った句は次の二つ。

「手の平に落ちては消える雪の華」 翔平
「かまくらを拵へし祖母の偉大さや」 安寿香

僕が特選に選んだのはすーちゃんの句。
先日雪が降った中で、
きっと彼女は雪かきで往生したことだろう。
たぶんだが、その中でかつて祖母がこさえてくれたであろう
かまくらを思い出したのだろうな。
祖母というとどこか小さくて弱い存在だが、
そこに力強さと優しさを詠みこんだのが
僕にはじんと来た。

ちなみにこの句会の僕の句は3つ。


雪煙人にぎにぎし朝の市
空薫の森の香はぜる暖炉かな
空歩き子等はしゃぎ出て空炬燵


うーん、やっぱり俳句は宇宙だね。
句会はほっこりとした雰囲気と
ちょっとした緊張、
そしてキラキラとした感覚に包まれて終わった。
来月もまた句会を開く。
お題は「陽炎」。
参加希望の方はご連絡ください。



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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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