たまに思う。
協力隊の人たちって
結構有機農業を現地で広めているけど、
それで定着したって場所
あるんだろうか?ってこと。
こんな風に書くと
あっ田谷、また意地悪言う気だな?
と思われるかもしれないけど、
僕もその端っこくらいで
そういう苦労をしてきたし
今もしているからそう強く思う。
僕の場合は、有機に限らないし
問題の根っこは、
それが有機だからとかじゃないとも思う。
それが野菜栽培でも一緒さ。
ま、野菜栽培だと定着している場所もあるだろうね。
ある一つの条件だけをクリアーすれば
これらの定着率は
驚くほど高くなのだから。

Facebookは便利だ。(ちょっと皮肉)
見ようとも思わない情報が飛び込んでくる。
で、その一つが飛び込んできたとき
僕は上記のような問いに覆われた。
それはこんな記事だった。
『月収500円の家庭も! 有機デモファームは収入向上をもたらすか?』

協力隊の方が書いたようで、
詳しい状況がわからないので
この件を批判することは避けようか。
でも有機農業を推進して
それがその現地で定着したという事例を
僕は不勉強なのか、知らない。
もしあれば教えてほしい。

健康や栄養改善に良いとか、
肥料代が削減されるとか、
そんな話が多い。
たぶんそれだけ住民目線で
考えられているからなんだろう。
でもこれまでずーっとここ8年ほど、
インドネシアの実習生と
ビジネスプランを立てて思うのだけど、
住民目線で新しいビジネスって生まれるんだろうかって事。
記事にもあるように収入が500円だなんて
インドネシアでもざらにある。
それはどうにかしたい。
大都市では日本と変わらない、
いやそれ以上の収入の人もいるのに
農村部ではそうならない。
いや、農村部でも貧富の格差がひどく、
どうすれば社会全体に行き渡るような
社会起業的ビジネスになりうるのか
そんな不毛としか思えないことに
何年も付き合っていくと
寄り添った住民目線では、
そんなビジネスって生まれるのは稀なんじゃないかって
当たり前かもしれないけど
今さらながらに気が付く。

僕の用意している実習生への授業で
地域開発論ってやつがある。
いろんな産地を構造的に分析して
その産地や事業の成り立ちや成長の経緯を勉強しているが
そこにはやはりかならず外部の強い影響がある。
途上国と言われる国々の農村部は
どんなにIT技術の普及によって
情報の偏りがなくなってきていると言っても
まだまだそれは偏ったままだ。
住民にその発想は生まれるのか?
と授業をしていて良く思う。
だからといって僕にも浮かばないのだけどね。

住民の思考の枠内で
健康に良くたって
肥料費を削減できたって
それが市場から評価をまっとうに受けないと
やっぱり変わらない気がしている。
人間の思考だと
経費削減なんてことよりも
収入の増大の方が大事さ。
体に良いことも、
ストイックな一部の方だけが続くだけで、
たいていの人は
ダイエットした方が良いと分かっていても
運動した方が良いと分かっていても
お酒やたばこをやめた方がいいと分かっていても
続かないもんね。
あと、
真っ当な栽培が出来れば高く売れる
というのは神話だ。
ポストハーベストの問題を解決してこそ
より高い品質や高い収量といった
栽培改善にベクトルが向くから
そこから栽培の技術が必要になるのであって、
入り口に栽培技術があるわけじゃない。
コールドチェーンや販売流通網が大切なんだ。
そんな販売ルートなんてないよって
みんな言うよ。
そりゃそうさ。あれば、もうどうにかなっている。
そのルートを整えれば、
というかこれが一番困難で
もっともややこしくて、
だから成功すると大きいのだけど
当然リスクも高いと思われる
このルートを整えれば、
新しい産地や事業が生まれるはずだ。
市場から直接刺激が農民に送られてくる
そのルートを整えれば、
必ず定着するはずだ。

今、日本では
輸出が少し盛んだ。
円安も少し影響しているし
途上国の大都市には良いモノを良いモノと判断する市場が
増えてきているのも要因だろう。
ただ皮肉なことに国内にはその流通網が無く
断絶されている。
その代わりに
遠く日本から運んだ方がより速く
しかもより新鮮に届いたりもする。
それだけ流通チェーンがつながっていることや
そこの技術、そしてそれらが
その商品のプレゼン力を高めているからだろう。
だとしたら、
僕らの実習生が帰国後に
そのチェーンに乗っかって、
自国で安全でしかも早くてより新鮮でより安価で
モノを提供できないだろうかと考えるのは
SFだろうか?
有機農業の定着は、
だからその先にあるのがごく自然で
その市場が醸成されるから
その産地や事業も発展するんだとオモフ。

入り口に住民目線により沿った思考の枠の中で
農業技術を持ってくるのは
それを全否定はしないが、
それが正解への近道ではないような
そんな気分にいる。




関連記事
Comment
Trackback













管理者にだけ表示を許可する

Comment form

田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
taya.tアットマークnifty.com
です。
(アットマークを@に置き換えて送信ください)

プロフィール
06 ≪│2017/07│≫ 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
カレンダー(月別)
カテゴリ
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

メールフォーム

Page Top

Powered by FC2 Blog |

FC2Ad

| Template Design by スタンダード・デザインラボ