人生には機があるようだ。
何かを始めようと思っていても、始まらないことばかりなのに、一旦、事が動き出すとあれよあれよと動いていく時期がある。今日はそれを感じた日。

研修事業のことである。某国営放送などで最近問題視されている外国人研修制度。次の国会でも多分制度の中身について議論がされるだろう。だのに、あえてこの時期に、それを利用して自分のやろうと思う事をしようとしている。インドネシア人の研修生を受け入れようと考えている。

その研修が人手なのか、それとも研修なのか、という議論はおいおいしていこうと思うし、そもそも近代的農業(1カロリー生産するために10カロリーのエネルギーが必要な農業)の押し付けにしかならないのではないか、という批判もあろう。それも一度にではなく、プロセスを通して議論していこうとは思う。ので、今日はそのことではない。

年末に、我が県でインドネシア研修生を受け入れている農家にあるメールを出していた。研修受け入れを検討しているので実際の話を聞かせて欲しい、と。しかし何の音沙汰も無く、今日まで過ぎていた。仕方ないので、また違う知り合いでインドネシア人を受け入れている人に直接電話をしたところ、インドネシア人研修生の派遣を行っている協同組合を紹介された。ので、そこに電話を。すると。

なんと偶然にも、その協同組合の方でも僕の連絡先を探していたところだったとか。年末にメールを送った人が知らせていてくれたとのことだった。そこで早速うちに来てもらい、研修制度の説明を受けることになった。

この研修制度を始めるにあたって僕としては、ある思惑があった。誰でも良いので人手がほしい、というわけではなく、この制度を利用して協力隊でかかわったある地域から重点的に人を送ってもらおうと考えていた。僕個人では、研修所としての認可をとるのも大変だし、研修で来るインドネシア人の研修ビザ1つとるのも大変だ。短期の滞在ビザという手もあるが、3ヶ月では農業の流れや農の営みが到底説明しきれない。最低でも1年、理想は2年、といったところなのだ。外国人研修制度ならば、最長で3年のビザがとれる。この制度をつかって、かつて関わった地域ともっとじっくりと長期で関われるのではないか、と考えていた。

さて、協同組合の代表者が説明をしに来てくれた。その説明も程ほどのところで、こちらの思惑を話してみた。研修生として来れる人を僕自身が指定できるのかどうか。その代表の方は大変好感を持てる人で、何でも隠さず話してくれる人だった。実際にインドネシア側で派遣に関わっている省では、その間のブローカーが存在しないので、こちらからの1本釣りは可能だ、との事だった。逆に、インドネシアに詳しいタヤさんが指名してくれた方なら安心です、との事だった。だが、話が進むうちに、むこうの顔が険しくなる。

僕が関わっていた地域は南スラウェシでして、と説明に及ぶと、『スラウェシの方はちょっと・・・』と難しい顔になった。なんでもこの業界では、スラウェシの人は逃げる、で有名なのだとか。つまり研修中に逃げ出して、日本に住み着いてしまう人が多いらしい。つまりは、『不法滞在』。研修生派遣の協同組合としては、この逃亡が一番恐ろしいとか。認可も取り消されかねない。某国営放送でも、外国人研修制度ですでに1万人が逃亡している、とその問題を指摘してもいる。

この話を妻にしたところ、『さすがは海洋民族!どこででもコミュニティを作る能力がたかい!』と逆にブ○ス人(スラウェシの代表的な民族)を褒め称えていたが、僕にはちょっと複雑だった。協同組合の人の話でも、『スラウェシの方は、なんだかあちこちにコミュニティを作っちゃうようで』とあり、まっとうな人が来てもそのブギ○人コミュニティにつながることで逃げ出す人も多いとの事。たしかに、ブ○ス人はマレーシアでもどこでも出稼ぎに行ったら、その先で村を作ってしまい定住すると有名ではあるが。

そんなこんなで、最後までその代表者の方には、いい顔をしてもらえなかった。その1点を除けば、とても現実的な話で、こちらのやりたいことが出来そうではあったのだが。僕としてもインドネシア人を長期で受け入れた経験がない。それに今日は初対面ということもあり信頼も無い。初めは無理をせず、今関わっているバンドゥンの農林高校とその制度を利用して何か出来ないかを探る方が得策なのかもしれない。

とにかく何か動き出したことには間違いない。まずは新年早々、幸先が良いとしよう。
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なんだか納得

ようは人生が楽に生きられればそれでいいんだから、
日本の方がよければ日本にいよう!
と思うのは素直な感情だなぁー、と思いました。

ふるさとは遠きにありて思ふもの・・・

公的な制度を利用してそれをするのはズルイけど、
生まれたところ(国・町)でずっと暮らしていかなければいけないこともないしね。

1カロリー生産するのに10カロリー使ってるんだ。それもなるほど。
でも、その方が短期的には「儲かる」のね?長期的には環境に負荷増大だとしてもね。個人の儲けと地球への負荷ってのは同じ帳簿には載らないよねぇ、今のところは。。。
載せると短期的に食べ物がなくなって飢餓になる?

ちかばぁ

コメントありがとう。
今の農業はどこでも、都市を農村が養っているわけなので、都市部では食っていけなくなるだろうね。そういう農業をやめたとすると、97年のインドネシア経済危機のように、大規模な人口移動(都市→農村)があるかも。ただインドネシアの農村のように、日本の農村は足腰がつよくない。コミュニティとして規範の弱い村は、その人口移動に対応できずにつぶれていくのだろう。まぁ、マンガチックな話だけど。

儲けというよりも、都市の論理で生産することに乗せられないことが肝心じゃないかと、最近は思います。地域内(もしくは空間として束縛を受けない繋がりとしてのコミュニティ内)で生産し消費することの大切さを考えたりしますね。
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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

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