ポリシーブックなるものを
県青協で作成をしている。
農業の現場で日々思うことを
自分たちの課題として整理することや
またJAや行政への要望として
まとめ上げたものを
ポリシーブックとして
毎年作成している。
今年は、その作業を
会長である僕が中心となってやることになっている。
ちょっと気が重い。

地面にへばりついて見えてくることは
ミクロなことが多く
マクロでどんなつながりや変化が起きていて
しかもそれに的確に「要望」しようというとなると
結構むずかしい作業になることは想定される。
だからそもそもその「要望」自体も
マクロばかりを見ている行政側からしてみれば
頓珍漢だったりもするのだろう。
この断絶自体が
まぁ、僕のテーマだったりもするのだけど、
それは僕個人の話であって
会長という役柄では、その断絶はない方が良い、
という思考は至極真っ当だ。
ただ、やっぱり頓珍漢に見えてしまうような
ミクロな意見は山盛りいっぱい汲み上げたい。
で、それを思いっきりマクロにぶつけてみたい。
これは性分だからしょうがない。
ということで、
僕の所属するJA福井市青壮年部の委員会の後、
有志で飲みながら話をした。

想定される答えとしては
米の買い取り価格が安い、とか、
野菜の値段が安定しない、とか、
JAで買う資材が高い、とかはよくあるが
ま、そういう単純な話は今回はなかった。
そういうのも大事かもしれないけど
問題ってそういうことじゃないんだよね。

まず出たのは
新規就農者に支払われる給付金。
ある一定の所得以下の場合、
最長で5年間150万が支給されるってやつ。
で、この辺でも居るんだけど、
生産を制限してその所得以下になるようにしている
新規就農者もいるって問題。
新規就農でいろいろと大変なんだから
ある一定の所得にこだわらず
給付するのなら給付するほうが
よほど健全だ。
あと儲かれば儲かるだけ得だと思えるような
仕組みを作らないとね。
たとえば5年間は
所得税や住民税や販売の消費税を還付するとかってどうだろう。
これだと販売したら販売しただけ得なので
がんばって作って売ろうってならないか?
だのに現行の制度だと
あまり売りすぎちゃうと給付金もらえないから
わざとコントロールする人も出てきていて
なんだかとても不健全。
競争主義をあちこちに盛り込んでいるんだから
もっと徹底したら?って僕が言うのも変だけどね。

あとこれは呑み会には来なかったけど
事前にもらっていた意見でこういうのもあった。
JAの共販で
野菜の秀品と優品という市場規格があるけど
それだけじゃなくて
もっと個人の頑張りが表に出るような
それがブランドになるような販売方法というか
規格わけがあってもいいんじゃないかって意見。
これは僕もそう思う。
秀品と優品での選別だと
みんな手を抜けるとこを抜いて
秀品の一番下を狙って栽培することになる。
秀品に入れば、一番いい秀品だろうが
一番下の秀品だろうが値段は一緒になるからね。
こういうのも不健全というか不毛だと思う。
そういうのって技術の使い方まちがっているよね。
ここでも健全な競争が生まれていないから
がんばった者が馬鹿を見ちゃうってことだね。

規格わけを細かくして
一番いい品質を高確率で出荷した人は
JAの総会とかで表彰すりゃ良いんだよ、賞金付きでさ。

ポストコシヒカリも良いけど、
食味値や整粒率や水分やたんぱく質含有量など
美味しさの基準も分かってきているんだから
それを行政とJAと農家が一体になって
各地区で実験的なモデルファームをやるっていうのも良いね。
この基準だったら高く買います、だけじゃ
何をどうしたらいいのか僕らは正直分からない。
傾向と対策とそして真っ当な競争。
これらが準備されてこそ
僕らの経営は、僕らの地区は、
そして僕らのJAは強くなる。
もうTPP始まっちゃうんだから
かつて
オレンジの自由化の中で美味しい蜜柑を追及したように
牛肉自由化で霜降りの和牛で対抗したように
その競争の中で
僕らの先輩たちは、
常に自分たちの消費者の味覚に寄り添って
よりよい物を提供してきたんだ。
だから今回も先輩たちのDNAを受け継いでいると
自負する僕らは、
きっと乗り越えられるはずだ。
それを思い起こさせるためにも
傾向と対策とまっとうな競争による
刺激が必要なんだ。
だからばらまき型の補助を
この際だから一切やめてしまえばいいとも思う。
すくなくとも面積に対して出すような
愚策はやめたほうがいい。
手厚くなればなるほど
イノベーションは起きないからね。

と言いたいことを言った後、
昨年の農水省の奥原さんとの勉強会を思い出した。
僕は、どうもそういう思考に
染まりつつある。
違和を覚えた物事にも
TPPの大筋合意からはスイッチが切り替わった。
なぜならのんびりはしてられないからさ。
ここで生き残るには、
いや生き残るだけじゃ物足りない。
僕らの地域がより発展的な存在になるには、
それがどんなルールだったとしても、
その中でもしたたかに、
いやそれ以上に強く突き進まないといけないんだから。
そしてやはりここは変わらないけど、
そういうマクロの変化を
僕らにどこまで都合の良いものに翻訳して
地元に埋め込めるか。
ここだろうね、やっぱり。

ということで、ミクロに頓珍漢を生きる僕らは、
これらを精一杯マクロにぶつける作業を
これからやっていこうと思う。

あっ、労働力について書くの忘れた。
ポリシーブックには絶対盛り込むけど、
エントリーとして記録するのは、
それはまた今度。




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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
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