なんだか最近は多産だね。
忙しくなればなるほど、
他にやらなきゃいけないことが
増えれば増えるほど
僕は書く。

ということで、
今回もインドネシアの研修エントリー。
月間レポートの発表はレンディの番だった。
ここで特別に記録したことは二つ。
一つ目は
ジャガイモの普及種イモを使った
優良品種の栽培について。
二つ目は
男女の格差について。

まずは一つ目についてだ。
レンディの地方はお茶栽培が有名だが
ジャガイモの産地でもある。
ただ病気の発生が多くて
それが頭を悩ましている。
レンディはその発生は品質の良い種イモが
手に入らないからだと考えていて、
それで原種農場等が生産している普及種子(ラベルあり)を
購入して、それを生産しようという計画だった。
で、種子も自分で生産して
品質が落ちるまでは普及種子の子や孫で
栽培をしたいというのがレンディさんの考え。

ふむ。
一見真っ当に見えるけど
これってやってみると結構大変だぜ。
17年前、南スラウェシ州バルー県で
僕が右顔面の神経が止まるくらい
苦労した経験から言えば、
その計画だけだと穴だらけだね。
まず、種子と青果物の生産は、
その方法やポストハーベストで違いが大きすぎる。
だから生産した青果物がそのまま
種子にはならない。
そしてそれがたとえ区別できたとしても
次に次作までの間の管理でも問題が発生する。
大抵は季節の巡りもあって
すぐに次作に移らない。
その間の保存がいい加減であれば種子は
その品質を低下させてしまう。
それ専用の施設が必要になる。
さらにこれが一番の問題だが、
普及種子で栽培された優良品種が
他のジャガイモと差別化されて
販売する市場があるのか?ということ。
大抵は、ジャガイモはジャガイモとしか
売買されない。
市場には専門業者だけでなく一般消費者も混在する。
専門的な評価をしてくれる業者も市場もそこにはいない。
これらすべて
17年前に僕が行った活動である
『平成10年度ラッカセイ優良品種普及事業』の
報告書の結論に書いてあることさ。
レンディのレポートは
机上の空論さ。
もう一回良く考えるんだね。
って、偉そうに言う僕も
その机上の空論を壮大なプロジェクトに落とし込み
実際に300人近い農家を巻き込んで動かしてみるまでは
ぜんぜん分からなかったけどね。
ということで、
この件は来月までの宿題になった。

さて、二つ目。
レンディにもイマンと同じように
人件費を計算するように宿題を出していた。
そして彼が計算したモノは
イマンと同じように全然
地域最低賃金に達していなかった。
批判はイマンと同じになるので
ここには記録しないが、
それよりもこの時に気になったのは
男女の格差だった。
日給が男だと25,000ルピア。
でも女だと20,000ルピア。
なんで男女差があるんだ???

この反応に向きになって反論したのは
イマンだった。
イマンは
「男と女とでは能力に差があるから給与に差があるのは当然。女は能力的に劣るから給与は安い」
とノタマフ。
まさか!性別で能力差があるなんてことはないだろう。
個人での差はあるかもしれないけど。
イマン、それ差別だぜ。
ジェンダー的差別だ!
法律的にそういう差を
つけていけないことも確認した後で
論理的にジェンダー的な差別は良くないと説明したが、
イマンもレンディも今一つ納得は
していなかった。
ただジャジャンだけは
僕の批判は真っ当だと理解を示してくれた。
農業も他産業と同じように
男女隔てなく雇用を考えていかないといけない。
日本の農業が衰退した原因の一つが
僕は家族農業のまま突き進んでしまったことだと思う。
その形態が悪いわけじゃないけど、
なあなあになりやすい関係性のままの業種体が
関係性を変容させていくようなイノベーションを
受け入れたり、自ら生み出すことはできないだろうね。
農場主のお父ちゃんが自分の妻や
長男の嫁にきちんとした給与を
払ってきたのか?と言えば、かなり怪しいね。
自分の家族という殻にこもって経営をするから
それが許されたけど
それを許してきたのが敗因ともいえるだろうね。
女性は力がない、そう言い張るイマンを見ていると
力がないのに農機乗るのはいつも男性という
訳のわからん構図もその後ろに浮かんでくるようだ。
僕の先輩で偉い人がいて
その人はそれがきちんとわかっているようで
「機械は妻がいつも乗るよ。俺はその補助で力仕事。それが一番合理的だから」
といつも言っている。
偉いよなぁ~。イマン、その先輩の言葉を
お前は理解できるか?
こうならないと君らの農業も
日本と同じように沈没するぜ。
で、レンディには宿題を出した。
作業内容に賃金格差はあっても良いけど、
性別による格差は無しにして、
しかも地域最低賃金を守って
それでも農業で儲かるようなビジネスプランを
立てること。
イマンと同じで
プランと実際は違うさ。
でもプランでも儲からないことは
実際では実現不可能だ。
意識の変化も必要だね。
彼ら技能実習生たちの
ジェンダーバイアスをまずは
取り除く作業にかかろうかと思う。
まだまだ道は遠いなぁ~。






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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

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