JA全国大会に出席する。
天気続きでサツマイモを掘らないといけないのだけど
県の青年組織協議会の会長なので、東京へ。

今回は農協改革法案が国会を通過し、
しかもTPPが大筋合意した後とあっただけに
通り一遍の大会ではなく、
それなりに面白いこともありそうだと
ちょっと期待しての参加。
そしてその期待通り、
いろんな勉強ができたので
僕としては満足している。

その中でも
安倍首相の話は良かった。
もちろん内容が、というわけではなく、
その姿勢が、だ。
これまで国家は
強い農業を実現すると言い、
農業者の所得倍増なんてことも言い放ったこともあった。
だが、今回のJA全国大会では、
安倍さんはただただ「守る」という単語を連発した。
地元の棚田の話を引き合いに
美しい農村を守るというのだ。
一体どうしたんだろう???

僕はこれまで安倍さんの論理を批判してきた。
個人的な好き嫌いもあるかもしれないが、
批判の対象はその徹底した経済に対する座視へだ。
農水官僚や林大臣の言葉にはその思想が
しっかりと浸透していて、
そしてその方向に力強く持っていく。
僕はその座視が
僕らの見ている未来と一致しない部分があることと
安保改正のように自分の思っていること以外を
認めようとしないその姿勢が嫌いだから
支持はしないが、
ある意味ブレない(ように見せているだけかもしれないが)
その論理は
それがあるがために高支持率になるんだろうと
理解もしていた。
だが、今回は一転、「守る」ときたもんだ。

TPPという自由経済圏を作り上げるのは、
それが総体的に経済の成長につながるからだ。
非効率な部分を貿易で補い合う。
自国の保護貿易が経済の成長を遮り、
2度の大戦を生んだことは誰もが知っている。
そのつながりが大きくなればなるほど
僕らは平和に発展を享受できる。
ただすべての部門が伸びるわけじゃない。
得手不得手があり、
その不得手が僕らの場合
不幸にも今の構造で成り立っている農業ということになる。
前回のエントリーでも書いたが
だからTPPが僕らの墓標となると
僕は思う。

自由貿易の論理で
不得手になってしまった分野は
その衝撃をできるだけ緩やかにして、
その分野から他の分野への移動も含めて
速やかに構造を変化しなければいけない。
うかうかしていれば
農業界は沈没する。
そこまでやったんだから
僕らの船の底をあなたは割ったんだから、
だったらはっきりと言えばいい。
守るんじゃなくて、
今からが攻めの農業だって。
今さら守るだなんて、ふざけるな!
守るんだったら、徹底して守れ!
そういう態度もやはり好きになれない。
もしかしたら、TPPも農協改革も
そこに攻めの農業なんてビジョンは
最初からなかったんじゃないの?
って思われてもしょうがない挨拶だった。

前日にも林前農水大臣が講演された。
彼ははっきりしていた。
その職から退いたからかもしれないが、
TPPの衝撃をどう緩めていけるかを
これから検討するのは当然とし、
輸入で苦しむばかりではなく
これからは輸出だという前も批判したが
その話を繰り返していた。
また担い手という言葉を使って
農地集積と大規模化によるコスト削減、
そしてエサ米へと続く補助による競争力強化の話だった。
もうその路線なんだろうなって思う。
だから安倍さん、
守るって言葉使わないでください。
守るって言葉を使うのなら、
聖域をしっかり守ってから言ってください。
守らなかったのには理由があるんでしょ。
しっかりと説明したらいいんだよ。
その座視を僕なりに展開すれば、
それは
不在地主と小規模兼業農家の速やかな退場と
農地集積によるコスト削減と
アメリカばりの補助政策による
競争力強化じゃないですか、あなた達の見ている世界は。
僕にもそれくらいは見えますよ。
でも、それだと僕らは困るんです。
それが僕らの幸せとは違っているんです。
でももう始まってしまうのだから
僕も競争に勝つために
事前から準備していたことを
始めないといけない。

JA全国大会では
TPPに対する特別決議を採択したが、
これらのセレモニーは
それが意図したこととは反対に
これから構造が変化することへの
狼煙となるだろう。
全部が残るわけじゃない。
僕らは探さないといけないんだ。
農協改革とTPPの中にある強い農業を。
首相は持っていないビジョンを。
だから首相の「守る」なんて言葉を鵜呑みにして
胡坐をかけば、地域ごと吹っ飛びかねない。
僕らはそういう競争に
好まざるとも飛び込んだのだから。




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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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