とある団体が今年節目の年を迎える。
それに合わせて記念誌を作るらしい。
それはいい。
それどころか、その冊子に出てほしいと
まさかの依頼があり、
インタビューも受けた。
とても光栄なことだった。

さてそのインタビューで
これまでの活動についていろいろと質問を受けた。
その中で農園での取り組み聞かれたので
今年2月に
インドネシアへのスタディーツアーを行ったと答えた。

それは
農園のインドネシア研修卒業生に会いに行く旅だった。
それぞれが僕らの農園での経験を
どう現地で活かしているのか、
それを見に行こうというツアーだった。
それを話すと、
インタビュアーは
「2人が参加したのですね」とノタマフ。
いえいえ10数名参加しましたよ。

「でも二人ツアーなんでしょ。『フタリーツアー』なんですよね」。

電話でのインタビューってこともあったんだと思う。
きっと直接会ってインタビューを受けていれば
そんなことはなかったんだろうと
僕は思いたい。
スタディーツアーという
英語が苦手の僕の発音が
たぶんそうさせたのだろう。
しかし、しかしだ。
会話の文脈を読んで行けば、
二人ツアーじゃないよね。きっと。

ちょっと変だな、と思いながらも
インタビューは続く。
インドネシアへ留学に行って
そこで思うこともあり、
地元に戻って農業をすることに決めたくだりだった。
僕としては、ここは積極的かつポジティブに
地元に戻って農業をすることを選んだつもりだし、
この時にはすでにインドネシア農業研修事業の
構想もそしてその下準備を出来上がっていて、
まさにそれを実行するために
僕は地元に戻ったと言って良いだろう。
だのに、インタビュアーは、
「国際協力の現場を諦め、実家に戻っての農業っていことは、やはり心残りはあるんでしょうね」とノタマフ。
この辺りで、昔の僕だったら
インタビューはもう崩壊していただろう。
でも僕はよく踏ん張ったと思う。
根気よくそうじゃないことを説明するが、
「地元の戻る=負けて逃げ戻る」といった構図の
ステレオタイプが頭を占拠している
インタビュアーは、
僕の言葉が理解できない様子だった。
「でも心残りがあるんですよね」と続ける。

この辺りでちょっと気が付いた。
たしかインタビュー前にこの人、
僕の資料はたくさんあるらしく、
「インタビューをしなくてもほとんど大丈夫なくらいなんですよ、ハハハ」
と言っていた。
つまりいろんな記事から
すでに僕の情報は持っていて、
で、そこからすでに記事のストーリーは決まっていて
それを確認するだけに電話しているんじゃないかってことに。
インタビュアーがその手の意図を
対象者に悟られることほど
やってはいけないミスはない。
というか、そういう意図を持っていること自体
すでに失格だ。
でも僕は耐えた。
ここでもインタビューは崩壊せず、
最後まで根気よく答えた。
なぜなら僕はその意図を知った瞬間、
このインタビュー中にそれを修正することを
諦めたからだ。
というのは、記事の出来上がりを必ず確認してくるはずで、
あとはその確認作業の時に
たくさんの赤(修正)を入れて、
こちらの意図に沿った文章にしてしまおう、
と決めたからだった。

最近では珍しいくらい
面白いインタビューだったので
記録した。
たくさんの方をインタビューしているようなので
たぶん僕のような小さな事例は
どうでもいいと思っているんだろうね。
それで良いんだ。
身の丈も知っているし。
でもそうまでして
その記念誌に載せてもらう意味って
あるんだろうか?
断っちゃおうかな・・・。



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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
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