不定期だが、ある一定の期間が過ぎると
浮かび上がってくる疑問がある。
それはインドネシア研修生たちの賃金に対する疑問。

農園で独自研修を受けている&働いている
インドネシア人の技能実習生たちには
国の労働者としての規定通りに
賃金を支払っているが
その中身について疑問が生まれることがある。
残業代の扱いや日本人労働者に比べての賃金格差など
“同じ仕事をしている”という意識から
彼らなりにそういう疑問は生まれてくる。
それ自体は至極真っ当なことで
それを社内の会議などで
彼らから話してもらえることは
僕にとっても幸せなことだ。

先日の社内の会議でも説明したが
それは日本語だったので
(スタッフのほとんどがイ語を解さないため)
昨日、時間を作ってイ語にて説明をした。
農園のスタッフ(正社員)の給与形態や
業務内容の違いなどの説明をした後
彼らの思っていることを聞いた。
スタッフと同等の評価が欲しい、
という直接的な声はなかったが
それに近い頑張りもあることは認めるべきだろうね。
ただ、それにしては専門知識にも
言語レベルも足りないというのは、はっきりと伝えた。
体力的や精神的には
たぶん日本人以上のポテンシャルを持っているのだろうが、
これからの農業はそういう要素は
もっと重要度を減らしていくべきだと思っている。
だから体力に自信があるだけでは駄目なのさ。
そうじゃない言説を作っていかないと
農業はまっとうな産業として独り立ちもできないだろう。

とはいえ、そのままにもできないので
昨年の実績を見ながら
実習生の言い分も考慮し、双方が納得できる
妥当な昇給ラインを話し合って決めた。
今年も昇給となった。
春闘みたいで、なんか良いね。

さて、実習生個人は
給与も上がって、研修や勉強もできる環境が揃っていて
なかなかない状況なんだろうと思うけど、
経営者としてはなかなか辛いところもある。
それは実習生の全体的にかかる経費だ。
中間搾取のようにも思えてしまう、
海外技能実習生を派遣する
国内外の組合への監理費や渡航費なども
すべて合わせて計算すると
技能実習生にかかる経費(給与も含めて)は
1人に付き毎月18万円を軽く超える。
これが高いか安いかは議論をしないといけないが
農業分野では
けっこうな賃金水準になる。
求人しても人が来ないから、
実習生をお願いするという農園もあるが
うちの場合は事情が少し違う。
僕の趣味で始めたいわゆる道楽であって、
それもちょっと高い道楽になりつつある気もするが
その道楽が良いと言って集まってくれるスタッフと
その道楽から作られる野菜が美味しい!
といってくれるお客さんの支持が
知らぬ間にたくさん寄せられるようになって
僕も本気で死ぬ気でこの道楽を
続けていくつもりでやっている。

でも、
時々、18万の賃金を払うのなら
日本語が話せなくて
致命的なミスはまだないが、
細かくミスを繰り返す、
そしてどんなに育てても3年で帰国する、
そしてこちらの期待通りにはなかなか
本国でも成果を出せないでいる実習生を受け入れるよりも
日本人のスタッフと楽しく可笑しく
農業をするのも良いかもな~と、そんな考えが
正直よぎらないこともない。

ま、とはいえ、
僕がインドネシアと関わり続けようという
意思がある限り、
そしてこのやり方が楽しい、と思ってくれる人たちが
日本人もインドネシア人も他の国の方も含めて
僕の周りにいる限り
僕の気まぐれで辞めることはないよ。

利益なんて考えずに始めた
もっと純粋だった初めの頃のあのモティベーションは
あれからもっといろんな社会の汚いモノに
汚されてはきたけど
僕なりにその真中は汚さないで持ち続けているつもりだ。
今回も彼らとの話し合いでは
すべての数字と僕の想いとそして
たぶん少し(かなり?)遠慮しているのだろうけど
それでも彼らの直の声とを合わせて
今年の賃金を見直すことができたことを
幸せに思いたい。
さぁ、新年度さ。
今年も研修の新学期が始まる。
それぞれにわだかまりはあるかもしれないが
僕らは前進をやめない。



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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

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