今年から野菜の苗の販売をやめた。
農園では、これまで、
たぶん祖父母の代から
野菜の苗をこの春先に栽培し販売してきた。
父の代には、
苗販売の最盛期には
農園の販売額の1/3を占めるほどの
大きな収入源になっていたこともあった。
福井市だけでなく、鯖江や敦賀まで
野菜の苗を運ぶトラックに
僕も一緒に乗っていった記憶があるし、
昨年まで僕もその配達をしていた。
だが、それを今年からやめた。

ホームセンターで苗を購入する人が増えたことや
そこへ卸すルートを農園が確保してこなかったこと、
またスーパーなどに入っている園芸店が
そことの競争に負けたことや
そもそもそのスーパーも大型店に淘汰されたなどの
時代の変化を大きく受けて
農園の苗販売の規模は縮小の一途をたどった。
苗販売の最盛期には
花壇用の花苗も多く栽培し
父も母もガーデニングやハンギングの資格を取って
そっちの方向でやっていこうという
時代もあった。

時代の変化で野菜苗の市場を徐々に失い、
そして僕がその野菜苗の栽培・販売に
全くといっていいほど
興味を持っていなかったこともあり、
僕らの営農のベクトルは
年を追うごとに
こだわりの野菜に特化した農園に様変わりしていった。
明確なビジョンが僕にあったわけじゃないが
苗の販売の方法や
その見せ方やそれを支える環境が
『時代』に乗り切れなかったのかもしれない。
だが、農園の野菜苗の栽培・販売が
実は僕らの多品種栽培の技を
育ててくれた。
品種に敏感になったのも
この経験が大きいようにも思うし
それだけの野菜の品種をそろえることができたのも
自前の育苗技術がしっかりとしているからとも
言えるだろう
(あっでも、昨年は吉川ナス、今年はズッキーニで失敗しているけど)。

そして今年。
その野菜苗の一般販売をやめることにした。
これまで野菜苗が占有していたハウスは、
僕らの多様な野菜栽培に向けられ
増産体制は一層強化された。
たぶん、この方向性も
このまま永続的に
繰り返されることもないのかもしれないが、
僕らはしばらく
この方向で特化し、尖っていこうと思う。

農園の野菜苗をこれまで購入つづけてくれた
お客さんには
『とても残念』と声をかけてもらうことも多く
その意味では大変申し訳ありません。
時代のニーズに合わせて僕らの営農も
生き残るために大きく変化していこうとしています。
その流れの中での苗販売の終了ということで
ご理解いただければ幸いです。



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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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メールは
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