暇というわけじゃないけど、
読みだすとあれこれと一気に読んでしまう
時期がある。
たぶん、いまそれ。

ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会 編著 『NOヘイト!』:出版の製造者責任を考える.2014.ころから.

李信恵さんの本を読んで
無関心は排外主義に加担していると
自分も思うので、
無関心の姿勢をやめるため
この本も手にとって読んでみた。

書店に平積みされ、あふれかえる嫌韓嫌中本。
それがそのまま世相を肯定しているように
書店の売り場がメディアとして
発信をしているような状況に
陥っていることに対して
危惧を感じている出版関係者が
まとめた本。
ネットでばかり本を買うようになってしまっていて
ほとんど書店に行かない僕には
書店でそんなことが起きているとは
夢にも思わなかった。
最近のネット書店は便利で、
自分が購入した本の傾向を調べて
それの類似したジャンルを薦めてくれる。
だから、そのお薦めに従って
本を買っている僕には
嫌韓嫌中なんて本がそんなにたくさんあること自体
まったく知らなかった。
やはり無関心は
無言の賛同と同一視されてしまうことを考えると
声を上げて『変だ!』と言う必要はあるようだ。

書店の本がそんな本であふれかえれば
みんなそれが今の社会の世相だと思ってしまうし
それが正しい考え方だって思ってしまうだろう。
書店もそんな本を置かなければいい、とはなかなかならない。
それは売れるからだそうだ。
経営のことを考えれば、ある程度売れる本を置くのも
しょうがないのだろう。
ただ書店さんの意見も本書にはあり、
できるだけ反対の意見の本も一緒に紹介するなど
偏りのないようなレイアウトを
心掛けているところもあるらしい。
排外主義の本を低俗だと
間違った記述ばかりだと
上から目線で批判をしても
たぶんこの問題の解決にはならない。
同じように反排外主義的な本を出版する、
という考え方もあるだろうけど、
リベラルの本は売れない、という。
ただ本書でも、
売れる本が正しいのではなく、
思想の世界に市場原理を持ち出しても通用しないという
批判はあった。
しかし、売れる本が嫌韓嫌中本だとすると
やはり書店でそれなりにスペースを独占してしまうので
それがある程度の流れを作っていってしまうという
事実になんの対抗策にもなっていない。
では、どうしてこういう本が
世間で居場所を得たのだろうか。
それはインターネットというツールだという。
しっかりとした情報と確度の低い噂話が
混在するインターネットは
その発信者は市民の手にある以上
情報ソースはどこまでもあいまいで
しかも拡散しやすい。
この世界の中で、歴史を修正する人たちが
コツコツと活動を広げていったのだろう。
その中で右派左派の両方の情報に
自動的にさらされるのならいいのだが
FacebookなどのSNSなどでは、
自分の偏った仲間からシャワーのように
同じような偏った情報を浴びることになる。
僕のアマゾンから紹介される本のリストは
たぶん右派の人は吐き気がするような本ばかりが
並んでいたりもするのも
インターネットの力なんだろうね。

本はそれ自体が広告であり、
書店は公共空間だという本書のあとがきは
もろ手を挙げて賛同したい。
過激なタイトルをつけ
新聞や電車の広告、
そして誰もが自由に知識を得るために
訪れることができる書店で、
僕らに恐怖を与えるような
そんな節度のないタイトルを許してはいけない。

この本を読んで、僕もそう強く思った。



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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
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