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次はカダルスマンの
卒業研究発表を記録しようか。
彼が取り組んだのは
コシヒカリの栽培方法だ。
インドネシアでは、
日本のお米を栽培する団体が増えている。
日本人も入り込んでいる場合もあるし
日本で研修を受けたインドネシア人が
挑戦しているケースもある。
それらのほとんどはアジアで需要が高まりつつある
日本の品種米へのニーズの高まりを意識してのことだ。
それらが品種という意味でもそうなんだろうけど、
高品質という意味では
それらを調整・乾燥する素晴らしい農機の技術力によって
支えられていることにはあまり目をむいていないようにも思う。
それは前回のエントリーで記したので、割愛する。

さて、
僕の周りの知り合いもインドネシアで
コシヒカリ栽培に挑戦しているが、
そのすべてが失敗に終わっている。
大体の理由は分かっているのだが、
今回はそれを一緒にカダルスマンの卒業研究に
寄り添うことで一緒に考えてみた。

まずカダルスマンは
コシヒカリとアキサカリのポット栽培を試みた。
それぞれ品種の特徴を掴むことと
そのポテンシャルを最大まで引き出して
性質をデフォルメ化することに
この試験の目的があった。
案の定、アキサカリは70以上の分げつを付け、
コシヒカリは草丈が旺盛に伸びた。
多収と倒伏しやすい、それぞれの品種が
これでデフォルメ化できた。

集落の作見会にも参加した。
そこで追肥のタイミングを
葉色スケールを使って診断すること、
幼穂形成の時期を診断して判断することを
彼は学んだ。
への字型作付の本も読み、
いつ追肥をするタイミングなのかも
イメージが付いた(はずだ)。

また卒業研究発表では
時間の都合上割愛したが、
米の品質について斑点米や胴割れ・未登熟米のそれぞれを
文献を読んで学び
それらの発生原因にも理解を深めた。

発表では
インドネシアでポピュラーな
SRIとLegowoの栽培の説明を行った。
それらは粗稙栽培かつ分げつを多くすることで
多収に持っていく栽培法であり、
コシヒカリの密植と粗稙の収量の違いを
データから比べ、
インドネシアのポピュラーな栽培法では
コシヒカリは分げつが多くなり
倒伏する危険性が高く
向いていないことを指摘した。
栽培技術にもよるが、コシヒカリは密植の方が
収量は上がるからだ。

肥料をどの時点で効かすかがカギになるのだろうが、
さてそこまで彼が理解できているかどうかは
やや怪しい。
ただ彼自体は、帰国したのちの進路がすでに決まっており
それは米栽培とは全く関係のない世界なので、
肥料についての議論をそこまで深まることは
この後もないだろう。
彼の帰国後の進路については、
また別のエントリーに任せよう。

発表態度はとても良かった。
彼の良いところは、
言葉がとてもはっきりしていて
聞きやすいということだ。
発音が良いんだろう。
インドネシアの農業高校弁論大会で優勝しただけはある。

研修期間中、
迷走を続けたカダルスマンだけに
彼の最後の発表では
僕は不覚にも目頭が熱くなった。



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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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