今は冬。
北陸は猛吹雪。
こんな天気だが、今からが忙しいのが
僕らの農園。
今週末からクリスマス&年末商戦への
納品ラッシュだ。

さて、それはまた別の機会に書くとして、
たまにはインドネシア実習生ネタでも書こうか。
忙しいと言っても
夏の忙しさ&暑さに比べたら
今は体力的には余裕がある。
だから、この時期、
インドネシア実習生への授業は
宿題も課題のレベルも一気にあげて
詰め込んでいく。
ちょっとそれがストレスになるくらい
この時期はガツガツやることにしている。

夏ごろから1年生のレンディは
石灰の勉強と称して日本語文献を
たくさん与えていた。
それは彼が石灰を勉強したい
という意志があったからだ。
3年生も同様に
それぞれの卒業研究に沿って日本語文献を
与えて読ませてきたのだが、
2年生のジャジャンだけは
僕から無理には
それをしてこなかった。
というのも、
彼はとてもストレスに弱い。
と僕は思っていたから。

もう時効だと思うので書くけど、
1年生の冬、ジャジャンは一時
農園の研修を辞めたいと言ってきたことがある。
冬の厳しさと冬の時期に勉強量が多くなることが
ストレスになっていたんだと思う。
またあまりにもモティベーションが落ちていて
その分、仕事のミスも目立ち
僕や父から注意を受けることも多かった。
そんな中で、授業の一環で行った市場見学で
彼と僕のお互いへの不満が噴出してしまった。
市場見学に際して
事前準備をしておくようにと
伝えておいたにも関わらず、
ジャジャンは全く準備をしていなかった。
事前に座学で市場の仕組みや物の流れを
解説したのだが、
その時、彼はまったくメモを取らなかった。
それどころか携帯をいじっている始末で、
僕としては不満の伏線はあった。
市場見学と言っても、
僕らはそんな暇はなかなかないので、
僕が早朝に市場配達に出かけたときに行う。
急いで帰って朝の収穫の準備もある。
だから説明も細かくはできない。
そのために事前に座学を設けていたのだ。
そんな僕のイライラが彼に伝染し、
一気にお互いの不満が表に出てしまった。

その時、彼は
「もう農園の研修はやめます」
とはっきり言った。
長くやっていれば、
きっとそんな奴も現れるだろうとは思っていたが、
さすがに言われると狼狽する。
その時、間に入ってくれたのが
当時3年生だったクスワントだった。
市場から戻ってきて僕は
すぐにクスワントに相談した。
インドネシア人の感覚と判断を知りたかった。
ジャジャンはクスワントをすごく慕っていたのも
知っていたので、
彼はジャジャンを擁護するかと思ったのだが、
その逆だった。
このプログラムに悪影響があるなら
ジャジャンは辞めた方がいいと
彼も言い切ったのを覚えている。
とくに当時2年生のイラやカダルスマンに
悪影響を与えるから辞めてもらうのなら
早い方が良い、とも言った。
そしてクスワントは
「明日までにジャジャンと話し合って答えを出します」
というので一任した。
結果は、
ジャジャンは研修を続けることになった。
何を話し合ったのかはわからないが、
ジャジャンが変わったのはそれからだった。
授業中いじっていた携帯も持ち込まなくなったし、
メモも良くとるようになったし、
座学の事前の準備もしっかりやるようになった。
何がそうさせたのかは、
クスワントは笑うばかりで教えてくれず、
僕は、自分が全くの無力だ、ということを
思い知らされただけだった。

さて、そのジャジャン。
2年生になってもやはり僕は
腫物を扱うような態度になってしまう。
だから課題もそんなに厳しくして来なかった(つもり)。
それがこの秋口から
「3年生や1年生には日本語の文献の課題を与えてくれるのに、僕にはくれないのはなぜですか?僕はアブラナ科の難防除の根こぶ病について勉強したいので、その文献を下さい」
と、ジャジャンの方から申し出があった。
ジャジャンは、インドネシアに戻ったら
ソシンというアブラナ科の野菜の
通年栽培を考えている。
しかし、その野菜は根こぶ病という病気が
蔓延しやすく、その防除はかなり厄介だ。
その根こぶ病の文献を読みたいとのことだが、
病気についての文献は
かなり専門用語が多くなる。
はたして読みこなせるだろうか。
しかしそんな心配をよそに、
彼はそれを一所懸命読みこなし、
月間レポートで発表してくれた。
その出来がなかなか良く、
また彼自身も手ごたえがあったようで、
もっと専門的な文献がほしいと
意欲的だった。

今は冬。
夏よりも太陽が昇っている時間は短い。
だからこんな夜長は勉強に限る。
そんなふうに思っているから
僕は今、彼らへの課題を多くしている。
それがとてもストレスフルなのもわかっている。
だが、今、
伸びようとしている研修生たちの芽も
僕には見えている気がする。
だから、多少嫌われようとも
今はたくさん課題を与えることにしている。
ジャジャンのように
いつか芽がでて、
大きく伸びるときの姿が見たいから。





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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
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