まずはルッコラ。
この野菜とのかかわりが
ぼくらの農業を大きく変えたと言っても
過言じゃないだろうな。

この野菜は僕が協力隊に参加している間に
父が栽培を始めていた(たぶん1997年ごろ)。
西洋野菜のブームが起きつつあり、
そのはしりで栽培を開始していた。
ただホウレンソウや小松菜のように
袋詰めにしてスーパーに出荷するだけだった。
それに販促の文句も
「胡麻の香りのする野菜」なんて言葉で
ルッコラ本来の美味しさが
伝わるような感じでもなかった。
それでもずいぶん売れていたようだけどね。
ただ、あまりにも低価格で販売をしていたので
それを何とかしたいなぁ~と
思っていたのが協力隊から帰国してすぐのことだった。
帰国してすぐに結婚したのだが
その時の妻のお気に入りの野菜もまたルッコラだった。
ルッコラの苦みと風味は
当時ワインを飲み始めた僕らのライフスタイルに
とても良く合っていた。
当時作成していた個人のホームページでも
ルッコラの料理のレシピは
他の野菜よりも多く掲載していた。

NHKの地方枠の番組でも
うちのルッコラが取り上げられた。
たぶんそれが僕の初のテレビ出演だったかも。
番組のスタートで
堤防の草むらから僕とリポーターが
「食べルッコラ!」と言って飛び出すシーンがあったのだが、
僕があまりに恥ずかしがっていたので、
リポーターの方から
「恥ずかしがらず、3割増しのテンションでお願いします」と
ダメだしされながら、
何度も撮り直しをしたのが
今でも少しトラウマになっているかも、
というのは余談。

ルッコラに注目が集まる下地は、
その当時あった。
ワインがブームだったし、
気軽に行けるようなフレンチやイタリアンの
レストランも福井の中で増えていた時期だった。
プロセスチーズばかりを売っていた
チーズコーナーにも
僕らが知らない名前のチーズが置かれ始めていた。
そんな文脈でルッコラは
ちょっと癖のあるチーズや
ベーコンや肉料理にも良く合い、
レタスなんかでは演出できない
新しいサラダ野菜だった。
でもスーパーで販売し始めた時は、
胡麻の香りという文句もあってか、
お浸しなど和のイメージで食べるという
お客さんもけっこう居たらしい。
まったくミスマッチな販売だった。

そんな時に
佐藤久商店さんという八百屋さんと出会う。
そしてピノリというイタリアンレストランさんで
農園のルッコラを使ってもらうことになった。
その時、初めて佐藤久商店の専務からの注文を
僕は今でも覚えている。
「ルッコラを盛る皿は22㎝。外枠に2㎝模様があるので、それにかからない18㎝で収穫して欲しい」とのことだった。
野菜は生き物だから1日たてば、それだけ伸びる。
それを18㎝指定での注文に
かなりビビった覚えがある。
その時は30㎝定規を片手に
ルッコラを収穫していたっけ。
だから
単価の取れる仕事とはどういうものかを
学んだのもルッコラからだった。
そしてレストランなどの外食への出荷する機会を得て
僕らはたくさんのシェフと知り合うことになった。

季節によって味もよく変わる野菜だった。
ルッコラは夏にとても辛くなる。
とても辛くて食えたもんじゃない。
と思っていたら、あるシェフが
「甘酸っぱい酸味がその辛味と良く合う」
と教えてくれたりもした。
冬には葉に厚みがまし、
歯形が立体的にわかるくらいになり、
香りも豊かになる。
我が家では
妻が恩師から教わったという
鶏肉の紅茶煮と一緒に食べるのが
定番になっている。





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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

詳しいプロフィールは、カテゴリの「プロフィール」から「ちょっと長いプロフィール」をお読みください。

メールは
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