珍しく東京出張。
目的は、JA青壮年部の全国組織・全青協の
拡大合同会議に参加するため。
実は来年、
福井県の県青協の委員長を内々に仰せつかっており、
今回は全国の場に慣れるために参加。

すべての都道府県の県青協の委員長や副委員長といった
県を代表する方々が出席する会議を眺めて思ったのは、
やはりこの国の農業も
他の国のように多様だ、ということ。
もちろん地域差よりも個々の経営の方が
さらに多様なのだろうとは思うが、
すべての都道府県の代表者が集まると
そのグラデーションは地域間でよりデフォルメ化され
その会議の中身というよりは
そこに座っている各地方代表者の
それぞれの意見の方向性や考え方の多様さが
眺めているだけで楽しかった。
で、それが目的の会議なら
この上なく楽しいのだが、
なにか組織として意見の集約となると
その切り口がどうしてもあいまいになり
その良さもどこかに吹き飛んでしまうような
まとめ方だった。
まぁ、そういうことに力を置くのは
あまり意味もないのかな、なんて
初めて参加した僕には感じた。
自分たちの国の農業の多様さを
内部共有するための組織でもないしね。
たぶん、そこが中央会制度の問題点と
同じだということは、あまり自覚的ではないかな。

さて中央会制度なんて言葉が出たので
このエントリーの本題に入ろうか。
僕の興味と議題が一致したのは
農協改革とTPPに対する全青協の態度だ。
全体会議の前に
ブロック別会議といって
日本中を6地区に分けたまとまりでの
会議に参加した。
福井は東海北陸ブロック。
その後、部会があり
食農・水田・青果の部会に分かれての会議。
僕は野菜専科の農家なので青果部会に出席。
そこでは簡単な自己紹介と
自分たちの経営内容など
多様な自分たちの経営や地域色の話が多かったのだが、
全体会議ではそれは反映されない。
というか、そういう意図や必要は特段ないのだろう。
とくにそれに対する際立った発言はないのだが、
それを感じてしまうのは、
農協改革で自己改革案を認め、
中央会制度の維持を支持している点だろうか。
たしかに
政府の提案する改革案は
農家・農業抜きの改革案といった観があり、
解体のための議論のような気もする。
その点では、全青協のいうことも一理あるが、
僕らとしては全国組織の形状がどうであろうと
身近な単協がどうやりくりしていくかが
もっとも関心のあるところだ。
それは、その延長上というか
これまでの道のりに
僕らJA青壮年部が
地域を作り上げる主体としてやってきていて
そしてこれからもそれを担っていくのが前提だ。
そうでない組織なら、別に用はないからね。

グローバリゼーションと流動的な平準化を
推し進めていくモダニティの世界にあって、
それらの波はどの場所にも平等に訪れるわけはないが、
少なくともそれぞれの場所に地方分権の声は
届いているだろう。
僕はそれを信じているし、
それに抵抗する努力よりも
それをバネに先に進む地方を夢想する。
だから強権を持った中央会制度は要らないし、
組織改変で共済や信用事業の一本化も要らない。
これだけ多様な風土で繰り広げられている農業は、
その生産様式に合わせて多様な文化と生活があり
それに合った共済や信用・購買・販売事業が
あって当然だと思う。
だから、これまで一律だったサービスも
僕はこれからは要らないと思う。
だから準組合員は、
その地域がどんな地域によるのかも合わせて
単協で話し合いをすればいい。
一律に決める必要なんて無いよ。
多様性は支持するくせに、
それを認め合うことができない。
大きな組織はさらに大きな競争にさらされているからだろうか。
その余裕のなさが、
地域をつぶす原因だといい加減みんな気が付くべきなのに、
大きなロジックに乗せられて、
みんなの目は曇るばかりさ。
合併ばかりを繰り返す単協の流れを廃止して、
僕らに必要な活気をサービスとして、
僕ら自身がそれぞれの地域で作り出していく必要がある。
それを後押しする取りまとめ組織なら歓迎さ。
でも、やっぱり要らないかな。

TPPでは全青協の態度が、という意味ではなく
内部の議論が面白かった。
その根底にあるものも
また中央会制度の議論とつながる点もあった。

森山TPP対策委員長(衆議院議員)から
これまでのTPPの流れとこれからの説明があった時、
関税をしっかり守るの一本やりではなく、
セーフガードや政策としてどう農業を盛り上げていくか、
その3点セットで考えてほしい、という話があり、
それはそれで一理あった。
だが、それに対して宮崎の農家の方が、
「補助をもらって、農業を守ってほしいわけじゃなく、自分たちの力でやっていきたい。だからその環境を整えてほしいだけ」と言っていたのが印象的だった。
そう、僕らは補助がほしくて、
また補助を考えて農業がしたいわけじゃない。
やったらやっただけ
成果の上がる仕事がしたいだけだ。
その土壌が出来上がらないから
農業が斜陽産業と言われてしまうのも
とても口惜しい。
全体としてかぶさってくる『覆い』は
僕らにとってはとても窮屈で
僕らの創意工夫を削いでしまう。
競争はいつも決まった不公平なルールで
価格とコストと補助の間を
行ったり来たり。
その方の怒りは
僕の心にも響いた。

短い出張だったが、
いろんな縮図が詰まった
僕としてはとても面白い2日間だった。
来年からは
もっと関わり合いが多くなるので、
この激動の時期にその立場にいられることを
僕は幸運に思う。




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田谷 徹

Author:田谷 徹
農民です。

青年海外協力隊として3年(農業指導)、大学院生(ボゴール農科大:農村社会学専攻)として2年、計5年インドネシアにいました。

あれこれ寄り道・みちくさしましたが、再び農民にもどりました。これからは日本でぼちぼちやる予定です。

生産と生活が渾然一体となった農の営みを実践する毎日を送っています。

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メールは
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